寒くなって、ぜんそくの調子の悪いお子さんも増えてきたため、この前の土曜は普段よりも多めの受診がありました。
私の心掛けていることは、特に新患の患者さんの場合は、診断、その根拠、治療方針などをガイドラインに沿ってキチンと説明することです。
慢性疾患の場合、“3分診療”は有り得ません。これまでの経過を聞いているだけで、3分なんてすぐに経ってしまいます。慢性疾患の対応で、医師の“本性”が如実に表れると思います。先日もお話しした患者さんがぜんそくを心配しているにもかかわらず、「ぜんそくではない」と言い切り、しかし陰でぜんそくの薬を出し続けられていたケースは、ものの1~2分で診察が終わってしまい、質問もできない雰囲気だったそうです。
真面目に診療している方が、診察や説明に時間がかかってしまい、そうしない方が多くの患者さんを診ることができ、経営的にも有利になってしまうのですが、こんな風潮を何とか改善させたいと思っています。
じっくりと診療するのがモットーとが言っておきながら、この前の土曜は、午後にインフルエンザワクチンと市の休日診療所の診療があったため、ちょっと急いで診療する必要がありました。忙しいから、説明を話半分に終わらせるのは、医師の都合であって、困っている患者さんには関係ない話です。土曜日の診療で、話し込み過ぎて15時過ぎになったこともあります。ただ、この間の土曜は、さすがにそこまでやってしまったら、予約している患者さんに迷惑がかかってしまいます。幸い、そこまで話が長くなる患者さんはおらず、ほぼ予定通りに終えることができました。
インフルエンザの予防接種も、今年は希望される方に接種することを目標にしています。当院のかかりつけの患者さんが増えているため、期待に添う努力をすることも求められているのだと感じています。16時から休日診療所での診療があったため、数十人の予約に抑えましたが、昨年のテレビで放映していたように、診察もせず、カルテも開かずにワクチンだけ打ちまくるような接種をするのは医師のルール違反です。遅刻しないよう、せっせと真面目に診察し、予防接種も行いました。
朝から夕まで診療と予防接種で忙しく、ほとんど休み時間がなかったので、ちょっと疲労を感じていました。それから休日診療所に出向きましたが、21時まで診療は続きます。朝9時前から働いていたので、途中若干の休み時間はありましたが、12時間労働ということになります。
休日診療自体は、幸いにはそんなに混んでいなかったでした。ただ、気は抜けません。急に熱が出た、というお子さんが多いので、ある意味で普段の診療に似ています。しかし、最大の差は当院のかかりつけでないお子さんが多いということです。しかも、ぜんそく発作を起こしやすい秋という季節です。
予想通り、風邪を契機に咳が止まらないと受診されたお子さんが何人かおりました。その中で、これまで診断はされていませんでしたが、ぜんそくと診断できるお子さんが3人いました。そのうち2人は聴診上ゼーゼー言っているのが聞こえました。
休日診療所は週末や夜間の急な症状をしのぐところなのかもしれませんが、明らかにかかりつけ医がぜんそくと診断していない場合は、アレルギー専門医として適切に診断するのも、私の役目だろうと考えています。咳が止まらないと、当院を受診されるケースが増えているとはいえ、皆が皆、当院を知っている訳ではないからです。
中途半端な説明をするのは、患者さんにも迷惑をかけることになるため、普段医院で診療しているくらいの感じで、ある程度時間をかけて説明しています。初めて会っても、まともなことを言えば信用して頂けると思っています。ちょっと驚かれる場合もありますが、「あー、やっぱりそうですか」と言われることもあります。咳が長引いたり、ゼーゼーを繰り返したりして、親御さんも「おかしいな、風邪ではないな」と思われていることも多く、キチンと診断することは親御さん、患者さんにとってもメリットが大きいと考えています。
ぜんそくの説明にもつい力が入ってしまいますが、診療が終わるまでは気は抜けません。緊張は緩むことはなく、診療の間は、先日市内の園で依頼された感染症の講演の準備のための医学書を読んでいました。過去にノロウィルスや新型インフルエンザが出たりして、感染拡大のために相当気を遣われたそうです。ものすごく感染力が強い病気ですので、園関係者の方々もお預かりしている他の子達にうつさないように必死だと思います。
ただ、責任は我々小児科医にもあるのです。つまり、「ただの胃腸炎(風邪)だ」と診断しておいて、実際はノロだったり、新型インフルエンザだったりしたら、感染防止のガードが甘くなってしまいます。発症したばかりで症状も軽ければ、その時点で診断できないこともあり、それは難しいと思います。ただ、ノロウィルスは先日も触れたRSウィルスのように、医院で検査すると検査費用が医院の持ち出しになってしまうため、疑っても調べないところが多いようです。当院では可能性が高いと思えば、調べています。
いずれにしても、我々がプロとして診断精度を上げる努力も不可欠です。明らかな症状があれば、見逃すことは許されず、園でそういった感染症が発生した場合は、医学的根拠に基づいた感染防止策を取らなければなりません。今はそういった本を読んでおり、どうやってスライドにまとめようかと思っています。休日診療所の仕事の合間に、そんなことを考えていました。
21時にその日の仕事が終了しました。無事に終えたという思いで、疲れがどっと出たのを感じていました。このように仕事が集中すると、翌週に疲れを持ち越さないか心配になります。最近は1週間経つのがあまりも早く、感染症の講演もあっという間だと思いますので、スライドの作成も進めていかなければなりません。期待されているうちが花だと思うので、ひとつひとつこなしていこうと思っています。


