連日のように、アレルギーで困っているお子さんが当院を受診されます。
どうしたらアレルギーの適正な診断と適切な治療を広めることができるのだろうと真剣に考えています。
先日、ある耳鼻科の先生の勧めで当院を受診された患者さんがいらっしゃいました。赤ちゃんの時に湿疹があったそうですが、ある小児科で乳児湿疹と診断されていました。湿疹は通院しても良くならなかったため、皮膚科に替えたそうですが、咳に関しては小児科に通院していたそうです。
これはいつものパターンなのですが、咳も湿疹も良くなっていないのに、小児科、皮膚科で同じ薬を出し続けられていました。診断名すら告げられていなかったそうです。相変わらずこんなことが繰り返されています。
こういう場合、上越の患者さんの問題意識を高めるために、「私なら診断をまずハッキリさせます。診断が間違えば、治療も間違いますよね?。また、治療しても症状が良くなっていなければ、自分の診断が間違っているのかと考えるし、間違っていなくても、良くなっていないのに同じ薬を処方するのは、治って欲しくないと思っているのと同じですよね?」と言っています。
患者さんが医師に全幅の信頼を置いて、何度も通院しているのに、医師が症状を良くするためにあれこれ考えて、悩まないのは“マナー違反”だと思っています。ある程度は、地元の患者さんの権利意識を高める必要があると考えています。
咳は、ここ最近どんどんひどくなったため、今度は耳鼻科に行ったそうです。耳鼻科の先生は聴診しないことも多いと思うのですが、その先生は聴診をした上で、ちょっとゼーゼーするのに気付いたそうです。
その先生が、結局は当院への受診を導いて下さったので、悪く言うつもりはないのですが、耳鼻科の先生の中には、ゼーゼー言っているにもかかわらず、「鼻水がのどに落ちてゼーゼーしている」と説明している人もいます。私の経験では、鼻がのどに落ちてもあまりゼーゼーしないと思うんですよね。
耳鼻科の略は耳鼻咽喉科です。読んで字の如く、耳と鼻、咽頭、喉頭が専門です。ぜんそくの場合は気管支に異常がありますから、喉頭より下の気管支の問題です。つまり、耳鼻科の先生は、一般的にはぜんそくは専門外と言えます。
ただ、今回の先生は聴診器でゼーゼーを聴き逃さず、「ぜんそくがある」と確信されたようです。「ぜんそくがあり、私は専門外だから、小児科に行くように」と言ってくれたそうです。
お母さんはすかさず「小児科の○○先生のところにかかっているんですけど」と行ったそうですが、ぜんそくの診断や治療が苦手な小児科医がいることをその耳鼻科の先生はご存知だったのでしょう。そもそも、何度通ってもぜんそくを見抜けなかったので、見切りを付けざるを得ないのです。「小児科を替えて下さい」と言われたそうです。
耳鼻科の先生のアドバイスを受け、当院を受診された訳ですが、受診当日はゼーゼーはしていませんでしたが、間違いなくぜんそくと診断されました。敢えて言わせて頂きますが、専門外の耳鼻科の先生が分かって、小児科医が分からないのは由々しき事態だと思っています。
同業とは言え、普通なら耳鼻科の先生は小児科の腕の違いまではよく分からないと思うのですが…。少なくとも当院にかかっている患者さんが耳鼻科や皮膚科に行った際に、当院の治療をみて「医者を替えろ」とは言われないように努力しなければいけないと思っています。それだけは絶対に避けたいと思います(笑)。
医師は「分かりません」とはなかなか言ってくれません。特に慢性疾患は、医師の知識や技術にビックリする程の“格差”があるのです。有名な医院の先生だから、いつも正しいことをやっているかと言えば、そうとは限らないのです。
かく言う私も間違うことはあります。間違うことを肯定する訳ではないですが、間違いを犯さない医師はいないと思います。常に「自分が間違っているんじゃないか」と不安に思い、間違いを少なくすることが良い医療につながるんじゃないかと思っています。
ちなみに、皮膚もアトピー性皮膚炎は明らかでした。私なら乳児期に診断できていた思いますので、何故これまでアトピーと診断されていなかったのか不思議に思います。アトピーにぜんそくを合併しやすいので、アトピーの赤ちゃんを診る時は今後ぜんそくを発症しないか注意して診ているつもりです。
アトピー性皮膚炎の診断基準を示し、アトピー性皮膚炎もあることを理解して頂きました。理論的に時間をかけて説明すると、患者さんは初診であっても信頼して下さいます。当院でぜんそくとアトピーの治療をさせて頂くことになりました。2件の医療機関に通わずに済むことは患者さんにとってもメリットは大きいと思っています。
当院に来られる患者さんには、何の説明もなくぜんそくの薬が使われていたり、ステロイド外用薬が出されているのに後で気付いてビックリされるケースが多々あります。まだまだ患者さんサイドに立った医療がなされていないと思っています。なので、患者さんの要求水準をもっと上げる必要があると思っています。
1件の医療機関しか行っていないと、自分の受けている医療が本当に適切かどうか分からなくなることもあるでしょう。お子さんを良くするためには、“小児科を替える”ことも選択肢であることをご理解頂きたいと思っています。


