小児科 すこやかアレルギークリニック

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落とし穴
2011年01月15日 更新

先週末、福岡にアレルギーの最新情報を学びに行ってきました。

ずっと自営業で休みも取れなかった両親に、親孝行をできなかった罪滅ぼしとして、ここ数年は両親を連れて行っています。

新潟の美味しいものと言えば、米、お酒などやや抽象的なように思いますが、九州は福岡なら豚骨ラーメン、水炊き、もつ鍋、屋台、大分ならフグ、長崎なら長崎ちゃんぽん、熊本なら馬刺、宮崎なら地鶏など具体的な美味しいものがあります。

勉強会の終わったあとに九州を回り、観光や食べ歩きをしています。今回は鹿児島まで足を伸ばしてきました。NHKの大河ドラマ「龍馬伝」で坂本龍馬だけでなく、西郷隆盛にも引かれ、その記念館に行きたいと思いました。これはどちらかと言うと、個人的な興味です…。

桜島も見せたいと思ったし、鹿児島の美味しいものと言えば黒豚が挙げられます。それを味わって欲しいと思いました。行ったのは鹿児島黒豚の専門店でした。その店では黒豚のしゃぶしゃぶを出すのですが、その味を堪能してきました。豚肉がこんなに甘いなんてと、両親共々驚かされました。

沸騰しただし汁にくぐらせ、「生卵」をからませて食べました。普通に生活していると、「生卵」はしゃぶしゃぶやすき焼きの時に食べるくらいだと思います。その「生卵」が今回問題になりました。

当院は食物アレルギーを専門的に診療していますが、卵の負荷試験は卵焼き1個を食べられれば、それをゴールにしています。それこそ「生卵はどうなの?」と思われるかもしれませんが、幼稚園や学校の給食には加熱卵が出るため、加熱してある卵焼きをゴールに設定しているのです。他の専門施設も同様だと思います。

先日、加熱卵を食べられることを確認していたお子さんが、家ですき焼きをやったそうです。当然、卵アレルギーがあったので生卵は両親のもののみ用意してありました。

アレルギー症状が起きてしまったのですが、その生卵を両親の目を離した隙に、ちょっと口にしてしまったのです。食べて間もなくして皮膚症状が出てきました。幸い、そこまで強い症状は出ませんでした。

ただ、卵焼きなど卵料理は食べられていたため、卵に関する危機感が薄れていたのは確かでしょう。再認識して頂きたいのは、今回のように充分加熱してあれば、卵の抗原性というアレルギーを起こす力は相当に弱めることができます。しかし、生卵や半熟卵だと話が別であることをご理解頂きたいと思っています。

「じゃあ、いつになったら食べていいの?」となると思いますが、これはケースバイケースでしょう。だいたい卵アレルギー児がどれくらいで生卵を食べられるようになったというデータは目にしたことがありません。ほとんどのケースが、卵アレルギーだったことを忘れた頃に、家などで食べてみて何も起こらず、それ以降何げなく食べているのではないかと思っています。

先日、別のケースでやはり加熱卵を食べていたお子さんが、ロタウィルス腸炎にかかった数日後に卵料理を食べて、アレルギー症状を起こしたケースを経験しました。これはロタウィルスにより、腸粘膜が荒れてしまい、多くの卵成分が体に入り込み、例外的にアレルギー反応を起こしたものと思われます。治ったはずの食物アレルギーがぶり返すことがありますが、体調の悪い時に多いようですが、風邪というよりは胃腸炎の時が多いと思います。

今回のように、卵アレルギーが治ったと思っていても、生卵だったり、胃腸炎にかかった時は要注意であることを頭に入れておいて頂きたいと思っています。