小児科 すこやかアレルギークリニック

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2011年04月22日 更新

新学期に入ったせいか、小学生や中学生の新患の患者さんが目立つように思います。

先月までは紹介状を書くこともあったので、別れもあれば、出会いもあるという感じでしょうか?。

そんな中、十代の食物アレルギーの患者さんが当院を受診されました。1歳前に牛乳を飲んで、アナフィラキシーショックに既往があるそうです。話を聞くと、父の転勤の影響で、いくつかの県の病院を渡り歩いてこられたようです。

アレルギーの専門医に診てもらっていた時は、「食物負荷試験」をやってもらったり、アナフィラキシーショックの既往もあるので、エピペンというショック改善薬も処方してもらっていました。

新潟に引っ越してくる前には、某県にあるこども病院で診てもらっていたそうです。アレルギー専門医が当初はいたものの、いなくなり、その後は専門でない先生が経過を診ていたようです。

エピペンは保険が利かず、1万円以上します。高価な薬ですが、使用期限があり、1年と決まっています。使用しなくても1年ごとに更新する必要があるので、その都度、買い替える必要があります。使わなくて済むことは大切なことですが、使用期限が切れてしまえば、使えないことになっています。

診察時も、以前処方されたエピペンを持参して下さいましたが、何と使用期限は2008年でした…。もしかしたら、使用期限の切れたエピペンを使ってしまうところでした。この3年間、使う機会がなくて良かったといったところでしょう。本当なら、こんなことはあってはならないのです。

普通なら、エピペンを再処方と言うことになると思いますが、買い替えるにはお金がかかります。もちろん、ショックを起こす可能性があるのなら、お金に換えられないので、処方する必要があります。ただし、牛乳でショックを起こしてから10年の月日が経過しています。処方する前に、まずは本当に乳製品の除去が必要かどうかを確認する必要があると考えました。

残念ながら、ここ最近は、専門医に診てもらっておらず、アレルギー検査をする程度の診察だったので、結局、乳製品は完全除去となっていました。

10年も症状が出ていないので、誰かが責任を持って負荷試験に取り組まなければ、充分に精神的な影響を受ける年齢になっていますので、一生牛乳を摂れなくなってしまうかもしれません。ショックの既往があるので、私自身も負荷試験をやるとなると、慎重にならなければなりません。

下手に手を出してショックなんて起こしてもらったら困るから、「除去を継続するように」なんて言っておけばいいだろうと消極的に考える小児科医も多いと思います。でもそれでは、患者さんはアレルギーの恐怖に震えながら、いつまでという目標もないまま、除去を続けることになります。それでは、あまりに気の毒です。誰かが食べさせる努力をしないと、何も変わらないのです。

まず、乳成分を含む加工品を用いた負荷試験をやることにしました。予約に余裕のあった、初診の2日後になります。実は負荷試験は済んでいますが、何も起きませんでした。つまり、完全除去は必要なかったのです。

いくら以前にアナフィラキシーショックを起こしても、10年の経過があれば、希望的観測ですが、ミルクアレルギーは治ってしまっているかもしれません。本当は、専門医が時々負荷試験をして、治っているかどうかを確認する必要があったのですが、何も行われていませんでした。

遅ればせながらと言えなくもありませんが、負荷試験をやり、キチンと評価していきたいと思っています。