専門医でも「学会活動」をやっているかどうかで、周囲の見方は変わってくるように思っています。
「学会活動」とは、学会に参加したり、更には臨床データをまとめて、分析し発表することです。そうすることで、微力ながら、学会を盛り上げるのに一役買っていることになると思っています。
普通の小児科外来において、受診する患者さんで一番多いのは感染症で、二番目がアレルギーだと思います。日本小児アレルギー学会に所属していても、入っているだけで学会にさえ参加していない医師も少なくありません。中には患者さんに「アレルギー学会に所属している」と言っている先生もいるようですが、「ちょっと…」と思ってしまいます。
私の場合、お世話になった恩師に認められたいという気持ちもあり、日々の診療の中、時間とアイデアをひねり出し、9年連続で小児アレルギー学会で発表を行なっています。昨年も12月に発表してきました。
発表が終わり、やれやれと思っていたら、一人の男性が私のもとに近づいてきました。そして「マイラン製薬ですが」と言いました。
マイラン製薬とはエピペンの会社です。その時の発表は食物負荷試験の話をしたので、食物アレルギーに力を入れている小児科医だと思って、挨拶に来られたようです。確かに、新潟県では、エピペンを多く処方している小児科医だとは思います。
エピペンはアメリカなどと違い、保険が利かないので高価です。でもアナフィラキシーの既往があり、「いざと言う時のために」と思えば、処方を希望される方は少なくありません。
ただ、現状としては、アナフィラキシーを起こしても、エピペンを打たずに病院を受診するケースがほとんどだそうです。特に小さいお子さんだと、親としても打つのに躊躇があるのも分かります。
ちなみに、当院でエピペンを処方している患者さんのうち、実際のアナフィラキシー時にエピペンを使用したのは2名です。どちらも中学生で、どちらも学校ででした。エピペン使用者の判断では、明らかな改善が81%で、概ね95%は有効と考えられているようです。私の患者さんも重症化せずに済みました。
周囲には、エピペンを持つべきなのに、主治医が処方していないケースもまだまだ多いでしょうから、いざと言う時の適切な対処のために、食物アレルギーの啓発は続けて行かなければならないと思っています。


