小児科 すこやかアレルギークリニック

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2011年06月18日 更新

先日、直江津地区の小学校で食物アレルギーの講演をしてきました。

事前にいくつか質問を受けていました。そうした方が、参加者の皆さんが疑問に思っているところを丁寧に話すことができます。講演の最後に質問を受け付けるのですが、質問時間の短縮にもつながり、その分、スライドを使いじっくりお話しすることが可能になります。

その中に、食物アレルギーで医師の治療方針が異なるのはなぜか?と言うものがありました。結局はプロとアマチュアの差なのですが、その分野の勉強をしているか、していないかの差でもあります。

アレルギーに限らず、感染症でもそうですが、医師によって結構治療方針が異なったりします。皆がピタリと揃うのが、インフルエンザの対応でしょう。

園や学校にインフルエンザの流行があるとなると、鼻水を使って検査をし、検査が陽性なら、つまりインフルエンザと診断が確定されるとタミフルやリレンザを5日分処方されます。そして熱が下がり、2日経ったら再診し、登園・登校許可証を書いてもらうという寸法です。

これは診断を迅速検査キットでインフルエンザであると確定し、インフルエンザウィルスの増殖を防ぐ抗ウィルス薬を使い、早めに症状を消失させてしまおうとする作戦です。実際にタミフルが販売される前よりも、インフルエンザは治療しやすくなりました。根拠のある対応と言えると思います。このように、医学的根拠のあることをやれば、症状は速やかに改善するのです。

だから最近は、エビデンス ベイスン メディスン(略してEBM)が重視されています。講演に先立ち、今の医学はEBMに沿った治療が推奨されており、各医師の経験や勘は重視されなくなってきていることをお話ししました。

そこで出てくるのが、日本の第一人者達が作ったガイドラインで、それが大事になってきます。ちょっと調べてみると、ガイドラインは高血圧、糖尿病、胃潰瘍などでも作成されています。それはもちろんアレルギーに関しても同様で、食物アレルギーについてもガイドラインが存在することを説明しました。

医師によって対応に差が出るのは、要はガイドラインを守っているか、守っていないのかの差な訳です。私はガイドラインを守らない医療は“邪道”だと信じています。例えば、患者さんに診断や治療の根拠を聞かれ、明確に答えられなければ、おかしいと思うからです。

地元でよくみかけるマイコプラズマと診断されて、点滴に通わされている患者さんが、よく当院を受診されます。もしやと思い、当院で調べてみるとマイコプラズマは検出されません。つまり、マイコプラズマでないのにマイコプラズマの点滴をしても良くならないのは当たり前であって、残念ながら根拠がない医療だから、改善しないのだと言わざるを得ません。

地元では、患者さんにEBMに沿った治療を受けて頂きたいので、市内で講演する時は今後はEBMに沿った医療をする医療機関にかかった方がいいことを勧めたいと思っています。

患者さんのためにも、医師として自分のためにも根拠のないことをすべきでないのですが、そんな私が根拠のないことを言うべきではないのでしょうが、上越市内に新たに小児科ができるという噂を耳にしました。

本当かどうかも分からないのですが、もし本当なら当然、当院にも影響は出ることでしょう。普通なら、同業者が増えるということは、自院の患者さんが減るかもしれずあまり歓迎されないことでしょうが、地元の子どものことを思い、EBMに沿った治療を丁寧にやってくれる先生であれば、私は歓迎したいと思います。