小児科 すこやかアレルギークリニック

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答えづらい
2011年06月24日 更新

医療は、医学的根拠に基づいて行なうべきでしょう。

正しく診断して、適切に治療すれば、症状は軽快するはずです。改善がなければ、診断や治療が間違っているのでは?と考えなければなりません。つまり、治療しても良くならなければ、診断や治療が正しくないという“根拠”になると思います。

ただ、食物アレルギーはいま過渡期にあると言え、患者さんの質問に答えづらいこともあります。

例えば、「食物負荷試験」をやった際に口の周りに少し蕁麻疹が出たとします。今までなら、症状が出るものは除去が原則でしたから、「除去して下さい」と言えましたが、最近は「食べて治す」という考え方が出てきたため、多少の症状が出ても、それが軽い症状なら食べて慣れさせた方がいいのではないか?と悩みます。

また、もちろん体調がいいから負荷試験をした訳ですから、軽微な症状が出た場合、もっと体調が悪い時なら強めのアレルギー症状を起こしてしまうかもしれません。その辺は何とも言えないのです。

最近は、専門医の間では、食べて治すという考え方が中心になってきています。それとあい通ずる考えと思いますが、除去を続けることで、より一層そのアレルゲンが食べられなくなってしまうとも言われています。

これは最近何かと引き合いに出されるデータですが、同じ人種でピーナッツを乳幼児期からなるべく食べさせる地域と、食べる習慣のない地域では、早くから食べさせる地域の方がピーナッツアレルギーの頻度が少ないというものがあります。

負荷試験のガイドラインには「卵や乳製品、小麦は原則1歳を過ぎてから負荷試験を行なう」と記載されています。実際に、当院でも1歳を過ぎてから負荷試験を実施しています。つまり、1歳になるまでは、アレルギー検査が陽性の場合は、「除去」するのが普通だと思います。

「除去」が食物アレルギーを治りにくくするというのが本当なら、0歳であっても、なるべくそのアレルゲンを食べさせるべきなのかもしれません。ガイドラインに書いてある「原則1歳を過ぎてから負荷試験を行なう」という文言も、本当に正しいのか私にはよく分かりません。

1歳くらいになると、消化能力も増してきて、卵や乳製品をうまく消化できるようになってくるから、1歳まで待つと言っているのかと自分なりに理解していました。しかし、乳児健診をやっていると分かりますが、独り歩きにしても10ヶ月で歩けるようになる子もいれば、1歳半近くになってようやく歩く子もいます。つまり、個人差が大きいのです。この「1歳」というのも「なぜ1歳なのですか?」と言われても、私にはうまく答えられません。

経口減感作療法や経口免疫療法と言われる治療法が盛んに研究されていますが、何故食べられるようになるのか、まだ分かっていないことも多く、今後の研究を待たなければいけない部分も沢山あります。

食物負荷試験のガイドラインも、現時点で確からしいことが書かれているのであって、5年や10年後には今のものと相当に様変わりしてしまっているかもしれません。ガイドラインは、そういう意味では変動し得るものと言えましょう。

では、当てにならないかと言えば、そうではないと思っています。現代の医学において正しいと考えられることをまとめたものです。現時点では、それに基づいて進んでいくのが、根拠のある医療だと思っています。