7月に入りましたが、6月はぜんそくの患者さんが調子を崩すことが多かったようです。
咳が長引いていても、マイコプラズマなどと診断されていることもありますが、多くは風邪と診断されており、ぜんそくが見逃されていることが多いようです。
ぜんそくであれば、ぜんそくの治療が必要なのですが、ゼーゼーしていないことを理由にぜんそくとは気付かれていません。診断するのに充分なヒントがあってもです。
こんなケースで、よく処方されるのが咳止めのテープでしょう。ホクナリンテープや、そのジェネリックがよく使われています。
先日、小学校高学年の女の子が咳が長引いて、近医に通っても改善しないと当院を受診されました。私がいつも正しい判断をできるとは限りませんが、通っても良くならなければ、風邪と診断している自分の判断が間違っているのではないか?と医師が考え直す姿勢が必要です。ただ、なかなかそういうことはされていませんので、医者を替えるしかないのだろうと思います。
実は、この患者さんは当院を受診するのは初めてではなく、既にぜんそくがあることが分かっていました。症状を聞いても、ぜんそくが悪さしているのは明らかです。ぜんそくの治療薬を処方しようとしたら、親御さんが気になることをおっしゃいました。
お母さんによると「最近、ドキドキしやすい」のだそうです。年頃の女の子が動悸といった症状があると、バセドウ病も考慮に入れる必要があります。ただ、咳止めとしてよく使われるβ2刺激薬という薬もドキドキしやすいという副作用があります。メプチンやスピロペント、ベロテックなどが挙げられます。
ホクナリンも含まれますが、内服と貼り薬があり、貼るタイプのホクナリンテープは、ジワジワと効果が持続するので動悸といった副作用は出づらいようです。ただ、感受性の強い人はいて、ホクナリンテープでもドキドキするとおっしゃる患者さんはいます。
先の患者さんに、「ホクナリンテープは使う前からドキドキがありましたか?」と聞いても、「使う前から」とおっしゃいます。薬の副作用とは考えにくく、バセドウ病や不整脈なども本気で疑わなければなりません。
ぜんそくの治療を始めるのはもちろんですが、「ドキドキする原因を突き止めないといけませんね」と言うと、「いや、使った後だったかな?」と、だんだんあやふやな答えになってきました。私も最近は記憶力に自信がなくなっており(笑)、人のことは言えません…。
家に帰っても薬の使用歴は明らかにはならないため、ぜんそくの症状の影響も考えて、とにかくぜんそくの治療を始めさせて頂くことにしました。
ぜんそくの治療には、β2刺激薬を使うのが常套手段ですが、これは気管支を拡張する効果があります。これが主作用ですが、副作用として、ドキドキを助長する可能性が高く、何が何だか分からなくなってしまうため、敢えてβ2刺激薬は使用しないことにしました。
後日、受診して頂きましたが、長引いていた咳は治まっていました。肝心のドキドキですが、それも消失していました。やはり、ホクナリンテープの使用後に動悸が現れていたようです。今後はホクナリンテープを使わないか、もしくは半量の規格を使うとかしなければいけないと思います。
ホクナリンテープは私もよく使いますが、比較的副作用は起こりにくいと感じていました。動悸の話を聞いて、ドキドキを起こす原因をキチンと追及ができるのかと、私の方がドキドキしてしまいました(汗)。
とりあえず、咳も止まり、ドキドキの原因も判明してよかったと思っています。


