小児科 すこやかアレルギークリニック

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食材選び
2011年07月12日 更新

食物アレルギーは、卵、牛乳、小麦の順に多く、3大アレルゲンと言われています。

先日、受診された患者さんは、前医でのアレルギー検査の結果を持ってこられました。卵もミルク、小麦がいずれもクラス3以上でした。

では、3大アレルゲンをみな除去しているかというと、乳製品に関しては牛乳もヨーグルトも食べているそうです。ということは、牛乳アレルギーはないと判断されます。その他の卵と小麦は完全除去を指示されていました。

当院の場合、アレルギー検査が高くても完全除去を指示しているケースは少ないのです。「食物負荷試験」をして、完全に除去しなくてもいいことを確認しているからです。

専門医としてのプライドもありますし、全力を尽くさずに「卵や小麦を含まれるものは一切除去して下さい」とは言いたくありません。親御さんにしてみれば、完全に除去という「100%完璧」を求められる訳です。微量に含まれているものを食べられることを確認できれば、「100%完璧」ではなくなりますし、親御さんも相当プレッシャーから解放されると思っています。

一般的には卵アレルギーなら、卵1個を使った卵焼きやゆで卵、スクランブルエッグ、小麦アレルギーならうどん100gが負荷試験時の食材として選ばれます。負荷試験のガイドラインには、オプションとして卵を使ったクッキーやカステラなども使っていいことになっています。

今回の患者さんは、これまで繰り返しているアナフィラキシーなどのアレルギー症状をいろいろ聞いていると、どちらかというと小麦アレルギーの方が強いようです。アレルギー検査は高くても食べられることが多いので参考程度に考えていますが、卵はクラス4なのに、小麦はクラス6です。

当院の場合、卵は、クッキーやカステラはよく負荷食材として使っていますが、小麦が含まれます。クッキー程度でこれまでもアレルギー症状が出ており、クッキーやカステラは「卵の負荷」としては小麦が邪魔をして、仮に食べてみても、卵が原因か、小麦が原因か分からなくなってしまいます。これまでは、卵アレルギーのみとか、小麦アレルギーは弱かったので、クッキー程度の小麦なら許容していたということが多かったのです。

いろいろ考えたあげく、卵は卵焼きを使うことにしました。2年くらい前の乳児期に茶碗蒸しを食べて、アレルギー症状が出たことがあるそうで、それ以来ずっと除去していました。もしかしたら、卵焼きでも全く歯が立たない訳ではないと考えました。

以前も、こういうケースはありましたが、卵焼きでは症状が出てしまいました。でも負荷試験はやってみなければ分かりませんし、最初から諦めては“敵前逃亡”と言われかねません。

今回は卵と小麦は分けて、それぞれがどれくらい食べられるのか評価したいという親御さんたってのご希望で遠路遥々受診されました。小麦は現実問題として、厳しいとは思いますが、卵は何とか食べて欲しいと思っています。

食物アレルギーの患者さんをみると、「何でもいいから絶対に食べさせたい」と思います。せっかく当院を頼って下さったので、「引き続き、卵と小麦の完全除去を続けて下さい」とは言いたくないし、知恵を出して、何とか「100%完璧」から脱却できるようにしたいと思っています。