小児科 すこやかアレルギークリニック

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クラス1なのに
2011年07月14日 更新

新潟県内には、「食物負荷試験」をやっている施設が数える程しかないため、当院ではできる限りやるようにしています。

上越市内はもちろん、市外からの受診も結構あります。ただ、肝心の市内の患者さんで、まだ「2歳まで除去」などと説明されているお子さんも少なくないようです。

2歳頃に食べられるようになるお子さんもいますが、1歳で食べられる子もいます。その場合、1年間無駄に除去し続けなければなりません。また、重症だと、小学校に上がっても除去をし続けなければいけない子もおり、「2歳まで」と言われて、結局食べられなければ“ぬか喜び”になってしまいます。

食物アレルギーは、10人患者さんがいれば、アレルゲンも異なることが多く、治るタイミングも異なります。つまり、“個別”に対応する必要がある訳です。当然、親御さんは「2歳まで」という一般論を聞きたいのではなく、「うちの子がいつになったら食べられるのか」を知りたいのです。

負荷試験をしてみて、親御さんの目の前で食べさせますから、症状が出れば「うちの子はまだ除去が必要なんだ」と分かります。医師は、「根拠のある医療」をすることを期待されているのだと思います。

医師なら「食物負荷試験」の存在を知っているはずですが、知っていて患者さんにそういう方法があるのを伝えないのは、アンフェアーだと思います。「2歳まで」というのはあくまで確率論です。まず当院のお膝元の上越市から、「2歳まで」というあまり根拠のない“区切り”をなくさなければいけないと思っています。

先日、卵がクラス1まで下がっているお子さんに、卵焼きの負荷試験をやりました。実は、昨年の夏も卵焼きで負荷試験をやっていました。残念ながら、食べ終わって蕁麻疹が出てきてしまい、卵料理は除去が必要と診断していました。

アレルギー検査は、クラス2以上が陽性と言われています。昨年、卵焼きで即時型の症状が出ていたため、クラス1であっても負荷試験をやる必要があると考えました。

最近は、「食べて治す」という理論が広まってきており、この患者さんには卵焼きなどの卵料理は控えて頂きましたが、お菓子などの卵を含む加工品は食べて頂いていました。今回の検査は、「いける」と思っていました。過去の負荷試験の経験からも、まず食べられることがほとんどだったからです。

実は、負荷試験の途中で、口の周りに発赤が出ました。気にはなりましたが、負荷し続けました。最終的に卵焼き1個を食べ切ったのですが、徐々に体に蕁麻疹がポチポチと出てきました。

少し待ったのですが、蕁麻疹が増えてきている感じだったので、抗ヒスタミン薬の内服を行ないました。つまり、1年越しのリベンジはならなかったのです。

アレルギー検査もクラス1で、日頃から卵の加工品は食べており、卵に少しは慣れていたはずです。今回は、本当に「いける」と思っていたのですが、まだ解除という訳にはいきませんでした。

勝算はあったのですが、親御さんの目の前で、食べると蕁麻疹が出ることを確認して頂いたので「除去を続ける」という根拠に嘘偽りがないことは理解して頂けたと思っています。やはり医師は、素人である患者さんによく分かって頂けるよう努力しなければならないと思いますし、“一目瞭然”という医療を進めていくべきだろうと思っています。