先日、薬の業者さんが当院を訪れ、勉強会の案内をしてくれました。
当院は子どものアレルギーに力を入れていますが、一般小児科の診療、そのほとんどが感染症ですが、こちらも真面目に取り組んでいるつもりです。
子どもが熱を出すと、一部、川崎病のような感染症とはいえないような病気も混じりますが、大部分は細菌やウィルスによる感染症と言えます。
小児科を受診する理由の1位が「発熱」ですが、2位が「咳」と言われています。腸への感染なら腹痛、嘔吐、下痢、中耳炎なら耳の痛み、頭への感染ならけいれんや意識障害などの症状がみられますが、「咳」が多いことからも、子どもの場合は、いわゆる風邪も含めた呼吸器感染が多いと言えましょう。
冒頭の勉強会とは、子どもの呼吸器感染症に関しての勉強会だったのです。アレルギー関係の学会にはよく参加していますので、他の分野の学会ももちろん参加して勉強するのが望ましいのですが、あまり休診にし過ぎてもいけないので悩ましいところです。かと言って、“10年前の治療”を古くさいとは知らずに堂々とやっているのもどうかと思ってしまいます。
春に某医院さんのホームページにスギ花粉症のことに触れてありました。スギ花粉症は対症療法しかなく、患者さんには我慢してもらうしかないと書いてありました。多くの方が見ているホームページのようですが、残念ながら正しくないと思います。
実は、食物アレルギーも“食べて治す”という経口減感作療法の研究が進んでいるように、スギ花粉症においても免疫療法が進んでいます。というか、スギ花粉症の治療はかなり昔から「減感作療法」が存在します。そして有効率は70%ほどと言われています。ただし、これまでは医師から注射をしてもらうので、頻回に医療機関を受診せねばならず、数年に渡る通院が必要だったので、“現実的”な治療ではありませんでした。
ところが、パンにスギ花粉のエキスを染み込ませ、それを口に含むという治療法が日本でもまもなく開始されます。申し訳ないですが、医者の言っていることが全然違うのです。
今年、花粉症で当院にかかった患者さんには、某医院さんのホームページを見て、治療がないと悲観的になっていると困るので、こういう最新の情報を提供させて頂きました。新しい治療にも眼を向けて、患者さんを励ましたり、いち早くそう言った治療を取り入れることは大切なことだと思います。
さて、実は子どもの呼吸器感染症にも新たな動きがありました。「小児呼吸器感染症診療ガイドライン」の2011年版がつい最近公表されたのです。今回の勉強会とは、そのガイドラインの改訂部分を中心に解説して下さるというものです。
最近、時代は進歩したものです。医院に居ながらにして、日本の第一人者の先生の話を聞けるシステムがあります。それなら、是非とも聞いてみたいものです。
システムはこうです。携帯電話で講師の先生の講演の音声を流し、パソコン内に用意したスライドを順に進めて、学会会場で講演を聞いているかのような“疑似体験”をするというものです。目の前に先生がいないだけで、スライドと音声は聞けますので、それで十分なのです。そんな優れたシステムにもかかわらず、利用している医院さんが少ないのを残念に思います。
医院に居ながらにして最新情報を仕入れられるのは大きいです。今回の話はとても分かりやすく、問題になっている、抗生剤の効きにくい耐性菌が増えいることに対する対策も理解できました。
この勉強会は、実はもう何回も当院でやってもらっています。最新情報は、医学書を読んだだけでマスターできるような代物ではありませんので、これからも積極的に聞いていこうと思っています。


