アレルギーで困った患者さんが受診されると、こんな話をすることがあります。
「何でも診られる医者(小児科医)なんていませんよ」と。
内科は医学の進歩に伴い細分化されていて、「呼吸器内科」、「循環器内科」、「神経内科」、「腎臓内科」、「内分泌内科」、「アレルギー科」、更に皮膚は「皮膚科」、泌尿器は「泌尿器科」、目は「眼科」などなど臓器によって専門が分かれています。
大人なら「専門外だから、○○科に行って下さい」と言われるはずです。しかし、小児科って、子どもの病気は何でも引き受けることが多いのですが、小児科医だけ“スーパーマン”なのでしょうか?。
内科もそうであるように、アレルギー学という学問があり、「アレルギー科」という立派な科があります。その分野に精通している医師とそうでない医師がいますので、診療に当然のことながら大きな差が出てきます。アレルギーをやっている医師は、正直「アレルギー科の看板を出すのにハードルを設けるべき」と考えている人が多いと思いますが、標榜するのは“自由”なので、患者さんからすれば、ついアレルギー科の看板を信用してしまうのだと思います。
現実問題として、ぜんそくをマイコプラズマや風邪、アトピー性皮膚炎を乳児湿疹と診断しているのは、アレルギー科を標榜している医師だったりします。アレルギーで悩む親御さんは、自分の子を守るためには、その辺りの事情をしっかり理解していないといけないのです。
専門分野であれば、いわゆる「引き出し」を多く持っているので、「この薬を使えば良くなるのではないか?」と患者さんを良くするためにあらゆる知識や技術を駆使できます。ただ、専門分野でないと、専門医にお任せした方が患者さんのためになることが多いのです。
今日のタイトルのように同業者の「連携」が重要です。特に開業医の場合は、入院施設を持ちませんから、入院加療を必要とする場合は、外来で引っ張り過ぎるべきではありません。
本来、入院すべき患者さんを点滴に1週間も通わせる医院さんもあり、医療もモラルが問われるケースも目にします。こんなことが起きる理由は、自分でもできるというプライドや経営面での有利さくらいしか浮かびませんが、患者さんにより良い対応をしたいと日頃から考えていれば、おかしなことはできないはずです。
先日、紹介状の返事が1日に3通も届きました。私自身、アレルギーを志してから専門家とそうでない医師にどれだけの差があるかをよく分かったので、専門外で他の先生に診てもらった方がいいと思えば、紹介状を書くことにしてます。
一人は、ネフローゼ症候群疑いの患者さん。蛋白尿が沢山出ており、診断基準を満たせばネフローゼ症候群と診断されるでしょうし、入院加療が不可欠です。治療にはかなり時間がかかると思いますし、専門医のさじ加減も必要な場合もあります。ためらわず専門医に紹介しました。
二人目は、そけいヘルニアのお子さんで、足の付け根がポコンと腫れる病気です。これは簡単な手術で治ってしまうので、外科の先生にお任せするしかありませんし、これまで何人も治療して頂いています。
三人目は、血液の異常があり、少し経過を診ていたのですが、改善がなく、精査を病院にお願いしました。
同時期に三人紹介状を書くことはこれまではなかったのですが、自分ができないことは正直に言い、専門医に任せるやり方は、医師として当たり前のことだと思っています。
もちろん、アレルギーの患者さんはいつでも引き受ける用意があるのですが、アレルギーは軽んじられていることが多いように感じており、ほとんどが患者さんが自らの判断で、前医からの紹介状を持たずに受診しています。医師の知識のレベルを明らかに超えていても、紹介すらされないケースも多々あります。
病気の子どもを救うには、小児科医の連携が必須だと思っています。


