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食物アレルギーのガイドライン改訂
2011年11月02日 更新

先週末に、小児ぜんそくと食物アレルギーのガイドラインが改訂され、発表になりました。

「ガイドラインは、専門医たちが最良と考える診療をエビデンス(根拠)に基づき議論の上に記述したもの」、今回の小児アレルギー学会の抄録にこんな記載がありました。

専門医とは、食物アレルギーに関しては、すこやか健康フェアの講師を務めて頂いた柴田先生や、来年お願いする海老澤先生を指し、いわゆる日本の食物アレルギーの屋台骨を支える、一握りの日本の第一人者の先生になります。

日本は「アレルギー科」の看板を自由に挙げていいことになっていますので、そういう看板は、幹線道路を車で走っていると、いやと言う程目につきます。自称「専門医」の先生もいるようですが、申し訳ないですが、レベルが違います。私も食物アレルギーはこだわって診療しているつもりですが、私からみても雲の上の存在の先生たちが、慈善事業で作成しています。

このガイドラインは、私のようなアレルギー学会認定の専門医のためでもありますが、どこにでもいるような一般小児科医のためでもあります。

いま、話題の「経口減感作療法」といういわゆる「食べて治す」という治療が注目されており、テレビなどでも取り上げられています。ごくわずかしか卵や乳製品を食べられなかったお子さんが、短期間で食べられるようになる、という夢のような治療法です。

この治療法は、今回のガイドラインでは推奨されていません。いえ、否定しているのではありません。まだ研究段階と言え、専門施設において専門医が実施すべきもので、普通の小児科医の手に負えるものにはなっていないという意味です。

このガイドラインは、先にも言った通り、普通の小児科医でも使えないと意味がありません。ですから、「経口減感作療法」はまだ、医療の末端には降りてきていないということです。既に専門医で実施されている場合は、そのまま継続して頂きたいと思っています。

このガイドラインは、実践重視で「できることはできる、できないことはできない」と言っている訳ですが、以前のガイドラインと同様に「食物負荷試験」は必要というか、やらなければ正しい診断ができないと言っています。

また、今回のガイドラインでは、普段よく聞く「除去食療法」という言葉が使われていません。食物アレルギーの基本は、アレルギー症状を起こす食品を除去することにあります。ですから、「除去食療法」という言葉は妥当のように感じます。

ただ、あれもこれも除去する“治療”というように勘違いされる恐れがあり、「食事療法」という記載はあっても、「除去食療法」とは言わないそうです。

いずれにしても正しい診断ができなければ、過剰な除去を求めることになります。親御さんもしなくていい除去を続けることになります。ですから、「経口減感作療法」とは異なり、上越のような地方の診療所にも「食物負荷試験」は“降りて”こなければならない検査法なのですが、一向に降りてきていません。

除去しておけば何も起きず、医師も責任を負う必要がないのです。医師は「除去しなさい」と言うだけで何も苦労はしませんが、患者さんが“苦労させられている”ので、広まらなければならないものと言えます。一つの要因は、医師のモチベーションの低さにあると考えています。「食べさせてあげたい」という熱い気持ちを持った小児科医が増えない限りは、引き続き新潟県の患者さんは救われないと思っています。

今は、内科や外科、耳鼻科でも泌尿器科でも、さまざまな疾患に対し、その分野の専門医が力を合わせてガイドラインが作成されています。今後は、ガイドライン通りに治療していなければ、万が一訴訟になれば、医師が負けるという方向に進んでいくことでしょう。

県内には、ガイドラインが作成されたことすら知らない医師も多いというか、ほとんどだと思います。患者さんが知っているのに、医師が知らないと言うことは、プロとして許されないはずです。

県内の患者さんたちにドシドシ広めていきたいと思っています。