食物アレルギーで起こる最重症の症状を「アナフィラキシーショック」と言います。
エピペンは、「アナフィラキシーショック」はもちろんのこと、「アナフィラキシー」といって、ショック状態まで陥っていないけれど、強めのアレルギー症状が出た際にも処方の対象になると思います。
当院も多くの患者さんにエピペンを処方しています。使用期限が決まっており、1年間となっています。これまでアレルギー症状を起こし、実際にエピペンを使用した患者さんもおりますが、多くは使用期限が切れ、使えなくなるために更新(再処方)をしに受診されることもあります。
当院でも、期限切れのエピペンは廃棄処分にしていました。学会で、それを練習用に使うといいと聞いて、「いつかそうしよう」と思っていました。もちろん、人体に使うのではなく、人体に見立てた物に使ってみるのです。今でこそ、保険が通りましたのでいいのですが、少し前までは保険適応外でしたので、1万円のエピペンをお役御免と捨てていたのは、もったいない話でした。
先日、使用期限切れのエピペンを持って来られた患者さんがおり、「練習してみる?」と聞いてみると、親御さんが「是非」とおっしゃり、練習してみることにしました。
ちょうどインフルエンザワクチンの患者さんで待合室がごった返しており、私の体もひとつしかないため、少しお待ち頂きました。その間、エピペンのビデオを観て、使い方の復習をして頂くことにしました。
以前も書きましたが、当院の診察机の脇にアップル社のアイパッドを置いています。その中に突発性発疹の皮疹や手足口病の手足の水ぶくれの画像が入れてあり、より理解しやすいように説明用に使っています。アイパッドは画像の他、動画も入れておけるので、エピペンの使い方の動画も入れてあるのです。
インフルエンザワクチンが一段落し、いよいよ本番(練習)です。その際、動画を撮らせて頂くことにしました。
その日に卵の負荷試験があり、思いのほか重めのアレルギー症状を起こしたお子さんがおり、「ボスミン」(エピペンと同じ成分の注射薬)を使わせて頂きました。私自身、ボスミンの筋肉注射は使ったことがあるものの、エピペンは使ったことがありません。
以前、学会でこんな話を聞きました。エピペンを処方されているお子さんが、園か学校でアナフィラキシーを起こし、園か学校でエピペンを使用されず、救急隊員も打たず、病院に着いて医師がエピペンを使った、という話です。病院には「ボスミン」があるため、当時保険適応外のエピペンを使うのは、患者さんに負担がかかるのです。
お子さんの足のところに布を厚く巻いたものを起き、その上に注射をして頂きました。私はビデオを構え、その瞬間を録画できました。
結構、大きな音がします。「バチン」という感じでしょうか。バネで一気に中の薬が放出されるのです。取り扱いビデオには「数秒保持する」と言っているようですが、メーカーの話では「1、2、3」で十分だそうです。
ちなみに、ユーチューブで実際に打つ動画がありましたので、ご覧下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=v2Jjqjwp1XA
実は、エピペンは間もなくマイナーチェンジされます。打ったあとは、ユーチューブの動画のように針が出たままの状態になるのですが、今度のものはカバーで覆われ、安全のようです。
当院では、ここ最近触れているように、新潟県内の園や学校でエピペンを預かってもらい、最悪のケースで使用して頂けるよう活動をしていきますが、今回撮らせて頂いた動画を見て頂き、有効利用させて頂こうと思っています。


