小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

“独裁”
2011年11月29日 更新

政治のことはあまり詳しくないのですが、橋下さんが大阪府知事を辞め、大阪市長選で当選しました。

自らを“独裁者”と名乗り、物議をかもしましたが、作戦だったようです。最近は、「誰がなっても同じ」という諦め感があり、ややもすると政治不信になりかねない状況を、彼なら変えてくれるかもという期待感を持った人々を投票所に向かわせ、それで当選を勝ち取ったようです。私よりも年は下ですが、このバイタリティには頭が下がります。

独裁と言うと、やはり言葉には刺があり、嫌う人も多いでしょう。ただ、人々は強力なリーダーシップを求めており、今回の選挙結果はその表れだと思っています。

リーダーシップと言えば、私の専門とするアレルギーも同様に必要かと思います。

アレルギーの病気は、合併しやすいと言われています。アレルギー科を名乗る医院さんで治療しても良くならないと、当院を受診されるケースが後と断ちません。中にはアトピー性皮膚炎と食物アレルギー、ぜんそくの3つの病気があるにもかかわらず、どの病気も見逃されており、指導も不十分なこともあります。

申し訳ないですが、逆に前医の指導が邪魔になることもあり、「これまで言われていたことは忘れてもらって、知識をリセットしてもらっていいですか?」とお願いすることすらあります。

これらの病気は、慢性に経過します。すぐには治らないので、日頃の管理が大切で、症状をコントロールしていくという考え方が必要です。

ぜんそくはいつも言うように、風邪ではないので“風邪薬”を飲んでいても、改善しません。アトピー性皮膚炎もステロイドの塗り方も「良くなったら止める」とか「3日以上塗ってはいけない」などと驚くべき指導をされているケースもあり、明らかな医師の知識不足が「とても強い薬で、塗り続けることは危険なことなんだ」などと患者さんに不安を与える結果になっています。

食物アレルギーも、アレルギー検査の結果のみで食べられる・食べられないの判断をされており、しかも完全除去の必要がなくても、「加工品も含めて食べてはいけない」などと指導されており、患者さんは卵や乳製品を摂ることに嫌悪感を感じていることすらあります。当院で根拠のある医療をやるため、負荷試験をやっても、お子さん自身が食べることを怖がってしまうことすらあります。

誤った指導は、ある意味、“独裁”と言えるのかもしれません。専門医は、こういった“独裁”を許してはならないと思っています。

いつも言っているように、医師の“独裁”と言うか、“独断”を許さないようにぜんそくやアトピー、食物アレルギーのガイドラインがあるにもかかわらず、お構いなしの医師も少なくないのです。日本の第一人者の先生方は、患者さんとその周囲に正しい情報を広めたいがために、いろいろ努力をされています。敢えて言えば、ネックになるのは、非専門医への啓発が一番難しいと言われています。アレルギー関係の学会に参加するのは、アレルギーに興味のある専門医であって、そうでない先生だと学ぶ場があまりないと言わざるを得ません。

そういった現実の中で、結局のところ、患者さんが医師を見抜く必要があるのです。しかし、昨日も書いたように乳児のアトピー性皮膚炎はとても多いにもかかわらず、“乳児湿疹”と診断され、適切な軟膏治療が行なわれていないケースは相当数いると思われ、医師も患者さんもアトピーであることに気付いていないのだと思うのです。

当院に“湿疹”で相談に来られる患者さんの90%以上は、アトピーと診断されていないという異常事態になっています。もっと速やかにお子さんの湿疹を改善させる方法があるのに、「こんなもの」と半ば諦めてしまっている患者さんが多いのを何とかしなければならないと思っています。

半ば強引とも言えるやり方ではありますが、私も橋下さんの手腕に期待している一人です。彼は大阪を変えると言っています。私はせめて、地元のアレルギーや感染症のレベルアップを図りたいし、新潟県の小児アレルギー医療を変えたいと思っています。