開業医は、医院を受診する患者さんを診るのが仕事ですが、私はそれだけではつまらないと思っています。
アレルギーだけでなく、感染症でも医院間の診療レベルが異なり、患者さんは的確に診断され、適切に治療されたり、そうでなかったりしています。医療が“宗教”みたいになっており、私ならしない、と言うかする必要がないと考える点滴を繰り返されたりしており、子ども達が可哀想で仕方ありません。
地域全体のレベルをあげることが必要だと考えており、“院外”活動も私のライフワークのひとつです。その一環が、先週の地元の養護の先生への呼吸器感染症とぜんそくの最新治療の講演だった訳ですが、平日の午後を休診にしてまで行ってきました。医院の売り上げより、地域の啓発を重視していることをご理解頂けると思います。
その講演が終わり、気持ちは楽になりましたが、他にもやらなければいけないことがあります。ここでは公にしませんが、「あんなことやこんなことをやらなければならない」と思っており、しかも近いうちに済ませてしまいたいところです。
そんな中、アトピー性皮膚炎の患者さんが増えてきたような印象があります。冬場になると乾燥で悪化することが多いのですが、初めて当院を受診される患者さんも目立ちます。
先日、受診された患者さんは、まだ小さい赤ちゃんなのですが、市内の小児科でアトピーと診断されたそうです。以前は、まずアトピーと診断していなかったようなので、少なからず当院の影響を受けているのかなと思っています。園の先生の話によると、当院が開院してから、急にぜんそくと診断されるお子さんが増えたと言うことですから、それはそれで望ましいことだと思っています。
ただ、ちょっと驚いたことに、診断されたその足で当院を受診されたのです。その日のうちにです。
日頃からアレルギーや感染症でさえ、医師によって診断さえ異なると言っていますが、アトピー性皮膚炎もまさにそうです。治療としてのステロイドの使い方も、いつも言っているようにガイドラインがあるので医師間で差が出るはずがないのに、全く根拠のない使い方を指導されていることも多いのです。
頼られると、増してや自分の専門分野だと、自分の力で何とか守りたいと思います。診断や治療が大きくズレていなければ、「そのまま治療を続けてください」と言いますが、そうでなければ、患者さんが望めば当院で治療させて頂くことになると思います。
問診票には「専門医の意見を聞きたい」と書いてありましたので、根拠を示して診断や治療法を説明しました。親御さんの意図が明確ですから、“3分診療”で済ませるつもりはありません。
専門でないと、診断名すら告げられずにステロイドだけ出されて、ステロイドを出されたことすら説明されていないケースが圧倒的に多く、敢えて言えば、こういうひどい対応は止めて頂きたいのです。分からなければ、分からないと専門医に紹介した方が患者さんは救われると思います。
当院は、地元だけでなく市外からの患者さんも多いですが、こういった対応をされている患者さんがほとんどです。何とかテコ入れしないとと思っています。
先日のNHKスペシャルでアレルギーの最新治療が取り上げられました。マスコミでこういうことが取り上げられるのは望ましいことで、今後も啓発というか情報発信を続けて欲しいと願っています。
重症の場合、専門医に診てもらっても、すんなり軽快しないこともあるでしょうが、非専門医よりは大きく異なります。結局、患者さんが「おかしい」と思うことで、ようやく「医者を代えてみよう」と思い立つのだと思います。
今回の患者さんも、アトピーと診断されて、それなら専門医に診てもらいたいと希望されました。湿疹だけでは当院を受診されなかったと思います。診断されたことがきっかけになった訳ですが、“きっかけ”がつかめていない患者さんの方が圧倒的に多いのです。お子さんの湿疹を心配していても、専門医に辿り着きにくい状況にあるのだと思います。
特に乳幼児で、アトピーと診断されておらず、繰り返す痒い湿疹がある場合は、アレルギーを疑い、専門医を尋ねてみてはいかがでしょうか?。


