小児科 すこやかアレルギークリニック

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大雪の中
2012年01月12日 更新

11日は某市で勉強会がありました。

あいにく画像のような雪景色です。「雪景色」と言うと風流に聞こえるかもしれませんが、辺りは一面真っ白です。

路面も白く、前に停まっている軽自動車よりもうずたかく除雪された雪の壁も白く、空さえも白く、更に吹雪いています。目に入るものすべてが白いのです。20メートル離れると、前を走っている車さえも見えない状況です(画像をクリックすると写真が拡大します)。

そんな中、約束の時間が迫ります。仕事の関係で出掛けるのが遅くなってしまったので、少し焦っているところです(汗)。路面に雪があるということは、急ハンドル、急ブレーキでスリップしやすく、事故を起こしやすいことを表します。雪道の運転は慣れているとは言え、慎重に運転しながら、会場である園を目指します。

その園は、重症な食物アレルギーのお子さんが通っていて、業者が入っていないと言って食べさせたものの、実は脱脂粉乳が含まれており、アナフィラキシーで入院してしまったのです。食品を扱う業者でも食物アレルギーについてよく分かっていない場合もあるので、要注意です。

少し前にエピペンを処方しています。少し前にエピペンを預かってもらえるようにお母さんを通して園と交渉してもらったのですが、「医療行為だから」と断られました。「いやいや、今は厚生労働省の薦めるところにより、救命のために園職員がエピペンを使うことは“医療行為”とは言わないのですよ」と言っても、何の進展もありませんでした。

いろいろなやり取りがあり、市側にも働きかけた結果、市全体でエピペンを預かるということで話がまとまり、真っ先にその園で職員にじかにエピペンの使い方を説明する機会を与えられ、あいにくこの大雪の中を命がけ?で向かったのです。

最初は、正直言って非協力的な態度に困惑しました。それは私以上に親御さんが感じていたことだと思います。ただ、園を悪者にするのではなく、確かに“医療行為”ともとれますので、園側も私のことを「無茶なことを言う医者だな」と思っていたのかもしれません。

食物アレルギーのお子さんは、好きで食べられない訳ではなく、誤食によってそれこそ生命を脅かされていると言っても過言ではありません。周囲の大人が、患者である子どもをサポートしてあげなくてはなりません。

いろいろと調整した結果、園側も時代の流れを理解して下さり、エピペンを預かり、いざという時に備えるということになった訳ですが、市や園の方々が子どものためという同じ方向を向いたからこそだと思っています。

今月は、他の園でもあと2、3回はこういう話をする予定になっています。基本は食物アレルギーの基本的な話をして、エピペンの使い方、効果、副作用などを話すのですが、園ではある程度は個別の話も必要になります。過去にどういう症状があっただとか、アレルギー検査の結果がどうなっているとか、食物負荷試験でどこまで食べられるのか分かっているかとかも話さなければいけません。

今回も過去のカルテから必要な情報を拾い、説明のスライドに盛り込みました。先週の福岡出張の飛行機の中で整理し、宿泊先のホテルでパソコンを使い、スライドを作っていたのは、この勉強会のためでした。

今回は、エピペントレーナーという、実際のエピペンと同じ大きさの練習用の道具を持っていきました。園の職員に実際に手に取ってもらい、通常打つ場所である太ももに押し当てるということもやって頂きました。口で話すよりは、経験しておくことが大切です。

参加の皆さんは一生懸命聞いて下さり、それなりの理解が得られたと思っています。もちろん、エピペンを使わないに越したことはありません。誤食がない、万が一起こしても、重い症状でないために職員がエピペンを使う必要がないという意味です。しかし、可能性のあることは、いざという時に備えておく必要があります。

私の知識が新潟県のためになるのなら、役立てて欲しいと思いますし、再来週も別の市に行く予定です。数十キロ離れているので、命がけにならないように、せめて大雪でないことを祈っています。