小児科 すこやかアレルギークリニック

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気休め!?
2012年01月28日 更新

アレルギーは慢性疾患です。

要は、「治療」という道のりは長いので、医師はプロとして病気の完治を目指して正しい道を案内するのが役目です。

風邪などと違い、放っておいても治りにくいので、医師は正しい知識や技術を持つ必要があります。ところが、他院で改善せず当院を頼って受診される患者さんの多くが、診断すら間違っていることが多いのです。

残念ながら、医師自身が自分が間違った治療をしていることすら気付いていないのです。症状が改善しなくても、診断や治療を見直そうともせず、専門医に紹介することもしない現実は患者さんが気の毒でなりません。

ぜんそく、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーの中で、最もガイドラインが浸透しているのは、ぜんそくの分野でしょう。何故なら、一番古いというか、歴史があるからです。アレルギーが専門でない小児科医の間でもある程度は浸透しています。

ところが、当地で診療している限り、マイコプラズマなどと誤診され、過小治療されていたり、アドエアという重症ぜんそくにしか使わない薬をぜんそくと診断がついていないような患者さんに使用していたり(過剰治療)と様々な治療がなされているように思います。

先日、ぜんそくと診断されている患者さんが当院を初診されました。これまでは他院で治療を受けていたそうです。

アレルギーの専門医は極めて少ないため、説明不足の状態でした。親御さんも医師を頼るしかないため、勧められた治療を何の疑いもなくやり続けるしかなかったようです。

慢性疾患の場合は、症状を繰り返し起こしているから、ぜんそくならぜんそくと診断されているのであって、患者さんは医院に何度も通っている状況のはずです。それだけ信頼されているのであれば、医師も熱い気持ちでキチンと対応すべきでしょう。

最初はキプレスという抗アレルギー薬が使用されていました。いろいろとこれまでの経過を聞いてみると、フルタイドという吸入ステロイド薬が追加されていました。

私が吸入ステロイドを使う時は、ある程度重症であると判断してからです。キプレスという薬は良い薬ですが、それでも症状を抑えきれなければ、治療を強化する必要があります。そこでアドエアではなく、フルタイドという薬を使うことになるのですが、キッチリと使うべき治療薬です。短期間で効くというものではありませんが、私の印象では2週間もすれば明らかに効いてきます。

ちなみに、低年齢の場合は、症状が軽ければキプレスのような抗アレルギー薬を用い、それでも改善が思わしくなければフルタイドのような吸入ステロイド薬を低容量から開始し、それでもダメなら中容量、高容量と増やしていきます。つまり、重症なら吸入ステロイド薬で押していく、ということになります。

初診時にガイドラインを手に明確に治療方針を説明していくと、親御さんは「この人は信頼できそうだ」と思って下さるのか、本音で話をしてくれるようになります。この患者さんの場合、フルタイドという薬が使われている割に、症状が落ち着いていないのが不思議でしたが、話をしているうちに謎が解けました。

前医からフルタイドを「気休め程度だ」といわれて出されていたため、「そんなに重要度の低い薬ならあまり使わなくていいんだ」と解釈されていました。

残念ながら気休め程度の薬ではなく、とても重要度の高い薬なことは先の話からご理解頂けると思っています。大人のぜんそくの場合でも、とにかく吸入ステロイド薬で押す治療が推奨されています。

ぜんそくが軽くない場合だと、しっかりと治療し続ける必要があります。私の場合は、自分の診ているぜんそく患者さんは100%治すつもりで治療に取り組んでいるので、それなりに時間をかけて継続治療の必要性を説いています。

医師がガイドラインをよく理解していれば、こういう説明にはならなかったのだろうと思っています。ぜんそくの治療は、過小でもなく、過剰でもなく、そして説明も十分に行なわれるべきで、患者さんもそれをご理解頂きたいと思っています。