小児科 すこやかアレルギークリニック

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アセトアミノフェンが使えない?
2012年02月15日 更新

先日、外来でおやっと思うことを言われました。

「アセトアミノフェンを使うと咳が出る」と前医から言われたのだそうです。「アセトアミノフェン?、何だそれは?」と思われるでしょうが、小さい子を持つ親御さんなら、ほぼ全員がお世話になっているアンヒバ座薬の成分名です。カロナールという内服薬もあります。最近はジェネリックもあるので、その他の名前の薬もあると思います。

近年は、小児科領域では強い解熱剤は使わない約束になっており、解熱剤と言えば、赤ちゃんを含めて小児科医はアセトアミノフェンくらいしか使える薬がないと言ってもいいくらいです。

親御さんの話を聞いた時に、正直言って「果たして本当だろうか」と思いました。親御さんは医師から言われたことだけに、疑う余地もなく信じ切っています。私の経験したことのないケースかもしれないのです。

よくよく聞いてみると、大して根拠のない話のように思えます。熱が出て、座薬を使うことになる訳ですが、親御さんが咳が悪化するようだと言ったことから「だったらそうかもね」という話からアセトアミノフェンが悪者にされているようです。

実は、前にかかっていた先生は気付いていませんでしたが、その患者さんはぜんそくが隠れていました。

私の考えはこうです。一般論としても、ぜんそくは風邪をきっかけに咳が悪化することが多いのですが、このお子さんの場合も風邪を引いて熱が出て、それを契機に咳が悪化します。ちょうどその状況で解熱させなければということで座薬を使うので、「座薬を使うと咳が悪くなるようだ」という話のなるのだろうと思います。

食物負荷試験をやっているので、“疑惑”を晴らすには、アセトアミノフェンを使ってみて、咳が悪化するかを確認すれば良いということになります。多くの医師が、危険を避けるため、患者さんからそう言われれば「じゃあ、使うのを止めときなさい」となるのだろうと思っています。

日頃から根拠のあることをやらなければいけないと言っていますし、先日放映されたテレビ番組の医療の広場でも、敢えてアトピー性皮膚炎や食物アレルギーの「ガイドライン」を示し、根拠を示すようにしています。

何かあったら自分の身に降り掛かってきますが、納得のいかないことは「違うんじゃないか」と言わないと、患者さんは医師から言われたことであり、一生そう言い続けなければならないと思うと気の毒でなりません。

そういう思想がベースにあるので、これまでも他の小児科から「食べてはいけない」と言われたものを、何度も食べさせてみて何ともないことを確認してきました。敢えて言えば、大して根拠のないことを言う医師も少なくないとも言えるのだろうと思います。

「アセトアミノフェンで咳が増える」というのが間違いだとはまだ言い切れません。今回の受診では、咳が増えてきたということで、熱が出ていなかったので、アセトアミノフェンは処方しませんでした。

ぜんそくの存在を把握した上で、風邪で熱が出た時は、ぜんそくの治療も同時に行なえば、悪化は最小限に食い止められると思うので、そういう状況でアセトアミノフェンを使い、咳の悪化がなければ、アセトアミノフェンが悪者であるという話を否定できる材料になるのだろうと思っています。

まだ小さく、園や学校で風邪などをもらってきてアセトアミノフェンのお世話になるような年齢ですので、必要があれば処方して、シロクロ付けたいと思っています。