18日(土)は、食物アレルギー研究会参加のため休診にしてしまい、かかりつけの患者さんにはご迷惑をお掛けしました。
新潟県は、食物アレルギーの医療においては進んでいるとは言えません。「食物アレルギーの医療は食物負荷試験なしにできない」とさえ言われているため、「食物負荷試験」を実施してる医療機関も多くない現状から、“進んでいない”ということは事実と言わざるを得ません。
乳幼児に5~10%いると言われている食物アレルギーの患者さんは、適正な医療を受けられている患者さんが少ないと言うことになります。ただ、これは新潟県に限らず、全国的に言われていることでしょう。じゃあ、なぜ新潟県と言うと思われるかもしれませんが、それは私が新潟県の人間だからです。
確かに県外から当院を受診されている患者さんも数人いらっしゃいますが、私の目線はいつも新潟県に向いており、そのレベルアップを図りたいという気持ちしかありません。
県内の市町村で、誤食時に使う内服薬やエピペンというアナフィラキシー改善薬を預かることを決めている市町村は、いくつかありました。実際に電話をかけて確認しました。やはりエピペンを処方されている児のいるところでは、対応しようという気持ちもあり、一方、そうでなければモチベーションも上がらないようです。
ただ、アナフィラキシーで病院に搬送されているにもかかわらず、エピペンが処方されていないケースもありました。またエピペンを持っている児がいないから、何もしなくていい訳でもないでしょう。エピペンを持つ児はほんの一握りで、医師から抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬を処方されている子ども達は少なくなく、それさえも預かり、対応するのも国が示している方向性だからです。
これは各園の方針によるようで、同じ街でAという園で預かり、Bという園で薬を預からないのは、不公平であり、それを均一のするのは行政の役割でしょう。電話で調査した際に、その辺も指摘させて頂きました。
これまで食物アレルギーの啓発活動を長年やってきました。専門医が少ないせいもあり、一生懸命やっている割には、あまり効果が上がっていないように感じていました。
患者さんが知識を持てばいいと思っていましたが、それだけでは不十分であることが分かりました。どういうことかと言えば、エピペンを預かって欲しいと園に言っても、結局は行政がかかわらないと前には進まないことが分かったからです。ある程度は積極的に行政と関わりを持っていかなければならないと痛感しました。
今回の発表は、そういう自分なりの悪戦苦闘の内容でした。発表後、医師会などとの歩調はどうかという質問を頂きました。そちらの方が効果が大きいということでした。
なかなか難しいのだろうと思います。食物アレルギーの難しいところは、医師が除去を指示ている限り、何も起きないので、それで「問題なし」と思われてしまうことでしょう。最近は、除去を「必要最小限」にするように言われており、そのためには、積極的に食べさせるようにしなければならない訳です。多くの医師が「どうせ治るのだから、どうしてそこまでしなければならないのか」と考えると思うので、「問題なし」と思われている部分を「問題あり」と認識してもらう必要があるのです。
食物アレルギーという基本的には子どもに多い病気の新しい考え方を、小児科医だけでなく内科などの医師全体に認識して頂くことは、小児科医だけでも考え方が揃っていないものを、なおさら困難と言わざるを得ないと思っています。
現場では、何を食べさせたらよいか分からず困っている親御さんも少なくありません。ある程度は強行突破と言いますか、個人の力で啓発を進めていくことは、私は新潟県にはマイナスにならないと思っています。
2月は全国的にアレルギー週間と言って、アレルギーの啓発を行なうイベントが繰り広げられています。新潟のスケジュールを見ると、ぜんそく、アトピー性皮膚炎、鼻炎が取り上げられており、食物アレルギーが見当たりませんでした。過去にもそうだったようです。私がこの分野で認められるように、更に努力しなければいけないのかなと思っています。
いずれにしても、私の目が新潟県全体に向いている以上、上越や近隣の市でエピペンなどの対応が進んでも、それでは全く満足いくものではありません。今週も、市外に食物アレルギーの講演に行きますが、もっともっと忙しくならなければいけないのだろうと思っています。


