当院は、アレルギーのお子さんを多く診ています。
アレルギーは慢性の経過を辿るため、定期的に通院して下さる患者さんが多いということになります。
「アレルギーマーチ」という概念があります。ベースにアレルギーの体質があると、いろいろなアレルギー疾患を合併しやすいのです。もう少し具体的にいうと、0歳でアトピー性皮膚炎と食物アレルギーを発症し、1歳でゼーゼーを繰り返してぜんそくも発症してきて、のちにアレルギー性鼻炎、結膜炎も加わってくるという一連の流れを指します。
昨日のことのように覚えていますが、以前ある赤ちゃんが、病院の小児科の先生のアドバイスにより当院を受診されました。
一見して、アトピー性皮膚炎であり、しかも重症でした。こういうケースはなかなかアトピー性皮膚炎とは診断されず、治療も中途半端で、専門医の腕の見せどころです。テニーの「医療の広場」という医療番組で解説した通りの治療を施しました。
これも番組内で、治療のビフォーアフターを示していますが、治療開始後1週間で皮膚症状は驚くほど改善しています。紹介状があった訳ではないのですが、「キチンと治療するとこうなるよ」ということを理解して欲しかったので、病院の先生には、親御さんに了解を得て写真を撮らせて頂き、それをメールに添付しました。その変化に少し驚いていたようですし、専門医に診てもらって良かったとその先生も思っているはずです。
患者さんからすれば、自分の子どもの症状を取り去ってくれれば、かかる医者は誰でもいいのだろうと思っています。患者さんの自宅からは、大きな病院やいくつもの開業医を通り越さないと当院には辿り着かないのですが、それ以来ずっと当院にかかって下さっています。
風邪や健診、予防接種などは、小児科医であれば誰が診てもそう変わるものではないのですが、何か心配なことがあれば、当院を目指して受診して下さっています。最低でも1か月に1度は顔を合わしていますので、ある意味「ファミリー」のような感じです。
頼られれば一生懸命やるだけですから、いつの間にか日々が経ってしまっていたようです。現在は、あれだけ重かったアトピー性皮膚炎はかなり改善しており、ぜんそく症状が見られるようになっています。
先日受診された時に、ふと“背中が大きくなっている”ことに気付きました。カルテを見ると3歳と表示されています。
つい、そのことを口に出してみましたが、お母さんからは「そうです、もう3年もお世話になっています」と言われました。先ほど述べたように、初診時の状況を昨日のことのように覚えているため、まだまだ赤ちゃんだと思っていたのに、もう3歳だなんて「ええっ!?」って思ってしまいました(汗)。
「ファミリー」で、近い存在だったので、成長に気付かなかったのかもしれません。ふと思い起こすと、アトピーがやや悪化したこともあったし、私なりに苦労しながら病気の症状を安定させる努力をしてきました。
これも「医療の広場」で示していますが、乳児期発症のアトピー性皮膚炎は意外と予後はいいので、この患者さんも皮膚はだいぶ落ち着いています。ぜんそく症状はないに越したことはないのですが、体質のせいで致し方ない部分はあります。
アトピー同様、咳の方も落ち着かせ、治癒に至らしめられればと思っています。今後も付き合いは続くでしょうが、「ファミリー」として誠実に向き合っていきたいと思っています。


