例年、この時期はアトピー性皮膚炎の患者さんの受診が増えます。
地元の医療情報番組で乳児のアトピー性皮膚炎について解説させて頂きましたが、その時にガイドラインに沿って治療したらこれくらい良くなるよいうことを理解して頂くため、初診時と治療開始1週間後の画像を使わせて頂いた患者さんも、この冬に受診されています。
どの皮膚科医も、ステロイドの副作用を説明しておらず、塗り方すら話していないのは皮膚のプロとしては失格と言われても、反論はできないはずです。だいたい、大した説明もなく「これを塗っておいて」という感じでしょう。
この春、中学に上がるということで顔から身体にアトピーの皮疹のひどかった患者さんも100キロ以上の距離を通院されて、かなり改善しています。それまではれっきとした皮膚科に通っていたそうです。アトピー性皮膚炎を得意とする小児科医は県内にはほとんどいませんが、皮膚科の状況は科が違うため何とも言えませんが、敢えて言えば“似たようなもの”と感じています。
当院は、小児ぜんそく、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーに力を入れており、一番対応の遅れている食物アレルギーに関して「食物負荷試験」など正しい知識を広めたいと思い、いろいろと努力してきました。ぜんそくは、時々書いているように、少し前までは診断もままならず、過小治療がほとんどでしたが、最近は過剰治療が目につきます。
「過剰」治療は、当然良くありません。ただ「過小」よりはまだマシです。患者さんも症状が出て困ることは減るでしょうから、ぜんそくに関しては、100キロとか70キロ離れたところから通院して下さる患者さんもいらっしゃいますが、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーに比べると、遠路遥々受診される方は少ないのです。
そういう意味では、アトピー性皮膚炎においては過剰治療はまずなく、ほぼ100%が「過小」治療です。診断も適切になされていないことが多いのです。確かに、ステロイドの副作用で患者さんから訴えられたら困りますから、なるべく早く中止するように指導されていることが圧倒的に多いのです。
これまでは食物アレルギーに多くのエネルギーを注いできましたが、100キロ以上かけて受診して下さるアトピー性皮膚炎の患者さんをみると、アトピー性皮膚炎のレベルアップも急務だと感じています。実は、患者さんや多くのアトピーに理解のない医師が思う程、ステロイドは副作用の出るものではないと思っています。
中には、県外の医療機関に通院している患者さんがいるというウワサを聞いたことがあり、「新潟県の患者さんは新潟県内で守ろうよ」と言いたいのです。
プロトピック軟膏という、ステロイドではない武器があるにもかかわらず、処方していない皮膚科医もいるようで、専門医の間では「人生を変える薬」とも言われているにもかかわらず、使用しないのはやはり「手抜き」の部類に入ると思っています。
ちなみに先日、ある患者さんにプロトピック軟膏を処方しました。以前、ある皮膚科で出されたことがあったそうですが、火照りやピリピリ感のため、使用を止めてしまったそうです。
専門医なら、ステロイド軟膏で皮膚の状態を良くしてから、プロトピック軟膏に移行するのは常識なのですが、それすら説明されておらず、要は使い方がまずかったのです。私のやり方でどうなったかと言うと、火照りやピリピリ感もなく、顔もきれいになっていました。
私が知らないだけで、きっとキチンと患者さんと向き合っている皮膚科の先生もいるのでしょうが、当院はいろんな街から受診があり、その街には評判のよいと言われる皮膚科医がいます。そこから患者さんが逃げてくることが多いのです。
超重症なアトピーの患者さんに苦戦することもありますが、皮膚科に通院しても良くならない患者さんを診る機会も多く、そう言う患者さんは往々にして医療機関を転々とされることが多いのですが、当院受診後は当院からは移ることは少ないように感じています。
これまで食物アレルギーの啓発に注いできたエネルギーを、乳児に限らず、アトピー性皮膚炎の正しい知識を広めるために努力していかなければならないと思っています。


