小児科 すこやかアレルギークリニック

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「口が痒い」
2012年04月06日 更新

口腔アレルギー症候群という病気があります。

口にのみ症状が現れる病気で、果物で起こることが多いのかなと思っています。唇が腫れることもありますが、「口の中がイガイガする」、「口に違和感がある」などアレルギーとは思いつかない症状が出たりします。

本人もそれで何となく食べなくなっていたり、医師に相談してもアレルギー症状だと言われないことも多いように思います。

こんな病気もあるので、食物負荷試験の時に「口の中がイガイガする」と言われると、「症状が出てきたのか?」とヒヤヒヤします。

ここ最近は1日に3~4件の負荷試験をやっていますが、皆が低年齢のお子さんとは限りません。春休みということもあり、小学生への負荷試験をやることもあります。

小学生になっても食べられないと、確かに治りづらいと言えるでしょうし、ずっと除去してきたため、その食品に嫌悪感さえ抱いていることもあります。そこが難しいところです。先ほど言ったように「口の中がイガイガする」とか「口の中が変」と言われても、それは蕁麻疹のような客観的な症状でないため、評価が難しいと言えます。

先日、2人の小学生に負荷試験を行いましたが、ひとりは重い卵アレルギーで卵を完全除去していました。微量に卵を含む加工品でも症状が誘発されていました。今回は卵を含んだ食パンで負荷試験をやろうかということになっていました。

もうひとりは重い魚アレルギーで、多くの魚を除去していました。親御さんも何か食べさせたいという思いが強く、アレルギー検査と皮膚テストで一番反応の小さかったサバに挑戦してみようということになりました。

たまたま同じ日に負荷試験をやったのですが、最初に少量から食べさせてみたのですが、2人とも口を揃えて「口の中がイガイガする」と言います。

2人とも重症なので、症状が出たのか?と心配になります。ただ、負荷試験の前の診察の時に、2人とも気が進まない状況が伺えました。そりゃそうでしょう、ずっと除去してきたのですから、特に子どもは「症状が出ると嫌だな」、「何で食べなきゃいけないの」と思っていると思います。

折角、負荷試験に漕ぎ着けたのでシロクロを付けなければなりません。2人とも客観的な症状がなかったので、慎重に負荷試験を続行することとしました。もし「口の中がイガイガする」というのがアレルギー症状なら、また何らかの症状が出てくるはずです。

ところが、ちょっと食べて気が楽になったのでしょう。次はすんなり食べ、訴えはありませんでした。2人とも最終的に目標の量を完食できました!!。それ相当の量を食べて症状が誘発されなかったので、一口目の「口の中がイガイガする」という訴えは不安や心配がそうさせていた可能性が高いと考えています。

もちろん、親御さんは食べられたため、安堵の表情を浮かべていました。私も負荷試験という大役を無事に終えることができ、ホッとしました。ただ忘れてはいけないのは、子ども達の勇気でしょう。食べることが怖くないはずはありません。ちゃんと食べてくれたため、食べてもいいのではないかという結論が得られたのです。

子ども達の勇気に感謝しつつ、当院にもまだまだ食べられるのに、負荷試験をやっていないがために、除去を継続している小学生もいます。子ども達の協力を得ながら、負荷試験でシロクロを付けていきたいと思っています。