通常の診療で忙しい中、地道に負荷試験を行なっています。
先日は、2人の患者さんにエビとサケで負荷試験を行ないました。いずれの患者さんも以前、エビやサケを食べて、蕁麻疹が出たということで前医から除去を指示されていました。
一般的に、甲殻類や魚類は治りにくいアレルゲンとされます。その他、ソバやピーナッツもそう捉えられていることが多いと思います。経験上、小さい頃に症状が出た場合は、成長とともに食べられるケースもあります。
多分、食物アレルギーに詳しくない医師は「一生食べられない」なんて言うことも多いと思います。私の場合は、「何とか食べさせたい」と思っていたし、2人とも蕁麻疹程度の軽い症状だったので、以前から「負荷試験をやってシロクロ付けた方がいい」ということは説明していました。
この場合、問題になることがあり、「気持ちで食べられない」ということです。特にエビアレルギーのお子さんは、5歳で知恵もついており、「エビは食べられないもの」と心の底から思っているので、何とか本人に分からないような方法で食べさせてみるしかないのです。お母さんが工夫して、シューマイの中にエビを忍ばせてきて下さいました。
エビは大人のアレルゲンとしては多く、強い症状を引き起こすことがあります。要注意です。また、本人の警戒心が強いと、それでも食べてくれないこともあります。
少し食べさせてみます。本人もすんなり食べてくれ、規定量を何の問題もなく食べられました。
サケのお子さんも、小さい頃にサケを食べて蕁麻疹が出たため、ずっと除去してきました。もう9歳になっており、「食べられるようなら、食べさせてあげたい」と思っていました。
サケは焼いた状態で持ってきて頂きましたが、エビアレルギーのお子さんと違い、そのもので負荷します。9歳くらいになると、言い聞かせて食べさせてみることにしました。
ずっと除去してきたものを食べるのは本人も少し怖かったでしょうが、頑張って全量食べられました。蕁麻疹も何も出ませんでした。
症状が出たのがだいぶ前だったため、いつ食べられるようになったのかは分かりません。ただ、今後は除去する必要はなさそうで、良かったと思っています。
当院では、やはり治りづらく、強い症状を起こすことのあるとされるソバやピーナッツでも負荷試験をやることがあります。負荷試験を何度もやっていると「これはいけるかも」と感じることがあります。そして実際に負荷をして、あっさりと食べられることもあります。アレルギー検査がクラス2などの陽性であってもです。
県内には食物アレルギーの専門医は少ないと繰り返し言っています。敢えて言えば、結構間違った説明をしている医師もいます。「一生食べられない」と言われ、そう信じ切っている親御さんも少なくないのではと思っています。
当然、除去のない生活が望ましく、「食べられるものは食べさせる」、それが基本です。大人に多いアレルゲンの場合は、成長しても食べられないままのこともあります。ただし、今回のように例外もあります。
過去に医師から「一生食べられない」と説明されても、言い方は少し変ですが、“悪あがき”のつもりで「それは本当だろうか?」と疑ってみて欲しいのです。思い当たりのある親御さんは、相談に乗りたいと思っています。


