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世直し
2012年05月24日 更新

突然ですが、ぶっちゃけて言うと、私が全く信用していない医療機関もあります。

患者さん側からすれば、“頼りになるお医者さん”とお思いでしょうが、医師がみな患者さんの病気が治るために日々努力していれば、医師の言うことはみな同じになり、A医院に行って良くらないため、B医院に医者を代える必要はなくなります。

結局、医師の間にはいかんともし難い「能力の差」があるため、それが医療の質の差となって現れてしまっています。同じ医院に通っている限りは、そういう差に気付かないことが多いので、患者さんにとっては「かかりつけ」と決めて通い続けることは、危険な場合すらある訳です。

先日、市の1歳半健診に行ってきました。それ以前に1か月や4か月、9か月健診をクリアしているので、大きな異常は見つからないことが多いのかなと思っています。順調に発達しているかを中心に診ることになります。

私の場合、つい注目してしまうのがアレルギーになります。いつもこの場で書いているように「誤診」が多いのですが、ぜんそくやアトピーがあっても親御さんが「これはおかしい」と思わなければ、医者を代えようとしないので、ぜんそくやアトピーが分からないままのこともあります。健診や休日診療所は、そういった患者さんを救える絶好のチャンスとも言えます。

医師が違うことを言うと患者さんが混乱するかもしれません。ただし、かかりつけ医を信用しているから、私の話を聞かないかと言えばそうではありません。「通っても良くならない」という厳然とした事実があるので、逆に親御さん自身も「別の先生から話を聞ける良い機会だ」と捉えている方も多いようです。私の場合は、外来でやっているように理論的に説明すれば、多くの方が信用して下さいます。

日々診療していて、他院に通院しても「湿疹が良くならない」と当院を受診される患者さんがほぼ全員がアトピー性皮膚炎を見逃されています。これって驚くべき事実だと思いませんか?。その日も明らかにアトピーが見逃されているケースがありました。私のアドバイスで、適切な治療を受けるきっかけができたと思うので、良い方向に行ってくれればいいなと思っています。

別の患者さんで「咳が長引き、眠れない」と書いてありました。話を聞くと1か月くらい続いているそうです。新築の家に移り住んだのでシックハウスも心配しているようです。

いつも言うように、ぜんそくをマイコプラズマと誤診を繰り返している医師もいます。マイコプラズマはゼーゼー言いません。素人でもゼーゼー言えば、ぜんそくを疑うくらいなのに、とにかくマイコプラズマと診断し、点滴を繰り返しています。ちなみに当院では、マイコプラズマと診断しても点滴をしたことはまずありません。そういった医院さんから逃げてきた患者さんの多くは「点滴って必要ないんですね」と驚かれます。

医院にはいろんな経営方針があるのでしょうが、当院は「腕」と「良心」で勝負していますので、点滴をすれば儲かることは知っていても、目先のことにとらわれないことを信条としています。マイコプラズマは何度も繰り返し、点滴をしなければ治らないものと“洗脳”されている患者さんも目にしますが、逆に“洗脳”しなおさないといけません。

先の咳の長引くお子さんも、“いつも通り”マイコプラズマと診断されていました。ある病気を想定して治療をして良くならなければ、その病気ではないのではないか?と考えるのは自然な発想です。診断が間違っているから、治療に反応しない訳です。それでもマイコプラズマだと言い続けられていました。1歳半の小さな赤ちゃんが1か月も夜寝れない程の咳が続いているにもかかわらずです。ここまでくるとある意味、立派と言えます。

連れてこられたお母さんには、「マイコプラズマではないでしょう。ゼーゼー言うんだからぜんそくを考えるべきでしょう。」と説明しました。問診票の相談したい欄に咳のことが書いてあり、SOSを出されていた訳です。親御さんへは良いアドバイスができたのではないかと思っています。医者が代われば、こんなこともあるのです。

こういう健診は、敢えて言えば「世直し」の一環だと捉えています。本来、医療は困った人を助ける心がなければいけません。しかし、医師の「誤診」によって困った状況が作り出されているのです。

私だって判断ミスすることもあります。ただ、常に「自分がミスをしないか」と疑っているため、1か月も咳が長引き、ゼーゼー言っているにもかかわらず、マイコプラズマという診断から離れられずにいるようなことはしていないつもりです。

医療は、間違った方が儲かるところもあります。あっさり良くなれば医院に来てくれなくなるからです。誤診をしたら医師にペナルティを科すくらいにしなければ、緊張感を持って医療はできないのではないかと思っています。残念ながら、マイコプラズマといい、他の感染症やアレルギーでもかなりの誤った診断や対応があるように感じています。

来月、市内の園で感染症の講演を頼まれています。これも絶好の「世直し」のチャンスと考え、正しい知識の啓発を進めていこうと思っています。