土曜の診療が終わったあと、日本小児皮膚科学会に参加するため、隣の群馬県に出掛けました。
今は感染症がさほど流行っていませんが、土曜の外来は混雑していました。やっとの思いで診療を終わらせ、車を走らせます。上越からは220キロあまりでした。
学会自体は、土曜の昼から開催されたいたため、夕方から参加したいと思っていました。本当なら、昼寝をしてから出掛けた方が、運転だったり、学会での集中力アップにつながるため、よかったと思うのですが、そんな時間はありませんでした(涙)。
今回は休診にはしなかったものの、当院は、周囲の同業者よりは学会で休診にすることも多いはずです。毎日ヘトヘトになって診療し、休みの日などに医学書をどん欲に読むなんてことはなかなかできません。学会に行けば、その道の専門家が最新のデータをもとにスライドをみながら解説をしてくれるので、多くのことを学ぶことができます。
参加者は15000円でしたが、14日、15日と開催されましたが、14日の土曜から参加しても、15日の夕方まで話を聞いてくれば、15000円なんてすぐに元が取れてしまいます。
いつもはアレルギー関係の学会に参加しています。今回は小児の皮膚病変についてですから、アトピー性皮膚炎だけではありません。皮膚に症状をきたす病気と言えば、水ぼうそうやヘルペスウィルス、手足口病などもありますし、とびひ、水イボ、母斑、じんましんなどもあります。あまり聞いたことはないでしょうが、結節性硬化症や膠原病も含まれます。
土曜の夕方に聞きたかったのは、とびひの話でした。夏場は虫さされを掻き壊し、とびひになることも多く、小児科や皮膚科の外来にとびひの患者さんが増えると思います。中には治りの悪いケースもあります。治りが悪い時はどう対応すれば良いのか?を知りたいと思いました。
ここ最近は、食物アレルギーの講演の予定が立て込んでおり、家に帰るとその準備に余念がありません。日々の診療で、たまに遭遇するとびひの治りの悪いお子さんにどう対処するかを勉強する時間がなかなか取れません。その疑問を解消するためにも、17時までに会場の前橋市に到達しなければなりませんでした。
何とか間に合いました。そしてとびひの話を聞きましたが、やはり知らないことだらけでした(汗)。臨床的にとびひの原因は黄色ブドウ球菌と溶連菌が悪さをしますが、ブドウ球菌に関しては抗生剤の効きにくい、いわゆる耐性菌が増えています。それも含めて治療しなければ、患者さんの症状は改善しないのです。
講演の最後に、その先生のお薦めの治療法が示されました。理論なども重要ですが、かなり複雑で十分に理解できないところもあります。臨床医にはそういう明日からの診療の役立つような対処法の方が、即戦力となるのです。
ちょっと触れておくと、よく小児科や皮膚科でゲンタシンという抗生剤の軟膏が出されますが、先ほど言った耐性菌の問題もあり、あまり効果は期待できないのだそうです。逆に、とびひと診断されてゲンタシンを出され、良くならなければ、医師の処方に問題があると考える必要がありそうです。ぜんそくやアトピーの話でよく言っていることなのですが、患者さんの症状を改善させる治療法を選ぶことが、医師に科せられた使命だからです。
とびひの講演が終わると、19時になっており、駐車場に向かいました。道の駅に併設された日帰り温泉に行くためです。今回は、ホテル代を浮かせるために、車内泊です。ワイルドだろう?(スギちゃん風に)。蒸し暑さを心配しましたが、逆に夜はやや肌寒いほどでした。
翌朝8時半から学会2日目が始まりました。アトピー性皮膚炎の話だったので、是非とも参加しなければなりません。その後も興味深い内容がてんこもりで、17時まで会場にいました。
群馬は隣の県ですが、新潟からの小児科医の参加は私の気付いた範囲では、他に1人だけでした。私も勉強しなければいけない分野も多いのですが、小児皮膚科、小児呼吸器が苦手な小児科医が多い気がします。すぐ近くで開催されているのに、もったいないなと思います。
学会会場で、私の目の前に座った二人組の医師らしき人がいました。60歳後半から70歳前半くらいにお見受けしました。超ベテランの先生のようです。1人の先生が「勉強したなー」と隣の先生に話しかけていました。
印象的な光景でした。長く医師をやっていると、それなりにいろいろな症例に当たります。患者さんから多くのことを学ばせて頂けるのです。若い医師に比べれば、百戦錬磨と言えます。失礼な言い方かもしれませんが、これまでの十分な経験から、残りの医師人生は十分やっていけるはずです。それでも、休日に体を休めることはせずに、学会会場に足を運ぶ向学心に脱帽しました。私も小児科医として、アレルギー専門医として、こんなおじいちゃんになりたいと思いました。
苺状血管腫のレーザー治療の是非や慢性じんましん、痒み止めとしての抗ヒスタミン薬の話も聞いてこれました。明日から参加しなかった先生よりも、一歩進んだ医療を提供できると思っています。


