小児科 すこやかアレルギークリニック

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自前のデータ
2012年08月03日 更新

大学病院や専門病院は、「診療」のほかの役割として、「教育」や「研究」も挙げられるのだと思います。

その点、開業医と言えば、「診療」にもっぱらの存在意義があるのだと思います。患者さんの受診の目的は、病気によって引き起こされる苦痛を速やかに取り去ることでしょう。それは治療と言われるものです。

極端な話、診断がつかなくても、とりあえず症状が治まれば、“結果オーライ”となるでしょう。他院にかかっていて通院しても良くならないと、当院に鞍替えされる患者さんが目立ちます。前医での対応を見ると、診断名を告げずに、「薬を出しますから、様子を見てください」と言われるのだそうです。

よく、ぜんそくなのに“風邪”とか“気管支炎”とか、“マイコプラズマ”と診断されているケースがあります。当然、通院しても症状は改善しません。なぜ真実は一つじゃないのでしょうか?。残念ながら、医師、特に開業医の診断能力は驚くほど差があります。

機械は壊れれば自然に治ることなんて期待できませんが、人体は自然治癒力があり、咳止めなどを使っていれば治ってしまうことが多いのかもしれません。ただ、ぜんそくが隠れていると、これは慢性の経過を辿る病気ですから、そういった「対症療法」では改善しないことが多いのです。乳児のアトピー性皮膚炎も、多くの小児科医、皮膚科医が“乳児湿疹”と誤診していますが、治りにくい病気だから、言われた通りにやっても良くならないことが多いのです。

これらのありふれたアレルギー疾患は、開業医でもとてもよく遭遇する病気ですが、やはり診断なくして、適切な治療はできないと言えます。風邪や汗疹のような、放っておいても治るような病気と同じ感覚で対応してはいけないのです。

根拠のある医療は、大きな病院の専売特許ではなく、これは開業医とて同じことが言えますが、驚くほど低レベルな医療をやっている医院さんも存在し、患者さん側からすれば「お医者さんにすべてお任せ」なんて丸投げするようなことは、それこそ命取りになりかねないと思っています。

当院の場合、周囲に食物アレルギーを専門的に取り組んでいる医師がいないため、根拠のある医療をやることを期待されています。いつも言っているように、アレルギー検査の数値が高いだけでは、「食べられない」という根拠になっていません。それを証明するために「食物負荷試験」をやっています。場合によっては、アレルギーに力を入れていない大学病院や大きな総合病院よりは、よほど根拠のある医療をやっているつもりです。

一昨日も、200人以上の中越地区の養護教諭の先生の前でアレルギーの話をさせて頂きましたが、いい加減な話はできません。そういった時に役立つのが、当院での自前のデータです。結果として「研究」的なこともやっていることになります。

多分、新潟県で病院も含めて一番多く負荷試験をやっている医療機関は、当院でしょう。アレルギー検査が陽性であっても、卵焼きを食べられたケースが何人中何人とか、すぐに出てきます。

一昨日も披露したデータですが、当院で卵白の数値がクラス6という最高値であっても、卵入りの加工品は8割弱の確率で食べられています。これは、知らない人にとってみれば、驚異的と思われ、「クラス6だから」と卵の完全除去を指示されていた患者さんにとっては、衝撃的でしょう。また、ある意味、一石二鳥とも言え、根拠のない医療をやっている医師が多いことを示すことができます。

これもお話ししたことですが、多くの医師が数値が高ければ「食べてはいけない」と指導しています。では、待てば待つほど食べられるようになるのか?。それが本当なら1歳で低く、2歳、3歳、4歳と年齢が上がるにつれて、食べられる確率が上がっているはずです。当院のデータでは、4歳よりも1歳の方が食べられていたりします。それも正しくないということになります。

研究のために負荷試験をやっている訳ではありませんが、こういうデータが啓発活動に役立ち、患者さんを勇気づけるものならば、もっとデータを構築していかなければならないと思っています。

多くの患者さんが、かかりつけの医師の言うことを正しいと信じています。残念ながら、多くの医師が、患者さんの期待に応えていないと思っています。正しくないことを言っている医師が多いと言うことも、自前のデータを通じて証明していかなければならないと思っています。