9月7日は、当院が上越市の地に開院して5歳になった日でした。
今は学会の準備で全く余裕がなく、「ああ、5周年だったね」とやっと思い出した感じです(汗)。
肝腎の学会の準備の方は、「こんな方向で行こう」と構想は浮かんでいます。ただ、医師向けの話なので、あまりに根拠のないことは言えないので、肉付けといいますか、今になって関連する論文を集めて読んでいます。発表1週間前にやることではないのですが…。
「食物負荷試験」というと、やはり専門施設で専門医のやるものと言うイメージが強く、某県の実態調査によると、開業医に限定すると12%が実施しているということです。新潟県はこんなにないでしょう。ただ、アンケート調査なので、どんな負荷試験をやっているのかということまでは触れられていません。
食材を少しずつ食べさせて、増量していき、最終的に規定量を全部食べるのがガイドラインの推奨するやり方ですが、別の論文では、医師の目の前で食べさせるだけのものを負荷試験と言っている場合もあるようです。本来のやり方とは異なっており、“自称”の「食物負荷試験」のようです。確かに、院内で食べさせてはいるようですが…。
「貴院は負荷試験をやっていますか?」という聞き取り調査をする用紙を送っても、回収率が60%程度であれば、多分負荷試験など興味のない医師は、送り返さないはずです。例えば、回答のあった施設の半分が負荷試験をやっていると答えたとすると、その地域では半数の医療機関で負荷試験を実施しているとは言えない訳です。やはり、なかなか本物の負荷試験の実態を知る方法は難しいようです。
負荷試験を行ないにくい理由として、「誘発リスクに対応できない」、「時間がない」、「スタッフや部屋が確保できない」というものが多いようです。中には「必要性が理解できない」、「手技が難しい」、「やり方が分からない」と言った“正直”な回答もあったようです。
いろんな理由があるにせよ、ある程度経験を積み、勉強もすれば、安全な負荷試験につながりますし、「誘発リスクに対応できない」なんてことはないでしょうし、「時間がない」、「スタッフや部屋が確保できない」というのも、当院は医師は一人ですし、部屋もある部屋を使って行なっています。日々医院を訪れる患者さんの人数も県内でも少なくないと思います。論文にも書かれていることですが、専門医は負荷試験の必要性への理解の深さと患者さんの要望の強さから、実施努力をしているということです。
本音は「必要性が理解できない」、「手技が難しい」、「やり方が分からない」というところにあるのかもしれません。また、負荷試験は保険診療で賄われるようになりましたが、「手数料が安過ぎる」という回答もあり、「やっぱりお金かよ」と思ってしまいます。この県の状況は分かりませんが、負荷試験を「できない」、「やり方が分からない」というのであれば、専門医に紹介すべきですが、周囲ではそうされていない現状は、明らかに異常と言えます。
結局は、医療は一部の医師の努力や良心に支えられている部分が大きいのかなと思ってしまいます。
当院は、その開院記念日だったのですが、今年に入って一番患者さんの受診が少なかったでした。周囲で夏風邪が少し流行っているくらいで、一部別の感染症が見られるくらいなので、致し方ありません。
そんな中、午前中に負荷試験をやりました。N市から来られている患者さんで、アレルギー検査の数値が調べるものすべてが高値で、地元の総合病院でさじを投げられたお子さんです。
負荷試験でゆっくりではありますが、食べられるものを解除していますが、昨日はサケを負荷しました。サケもクラス6でした。アメリカのデータですが、魚は数値が高いと食べられない確率が高く、抗体価が20以上だと100%症状が出るというデータもある程です。
多くの医師が「食べてはいけない」というでしょう。私は親御さんのご苦労を知っているため、食べられるものが少ないので、何かしら食べさせたいと思っており、限界に挑戦しようと思いました。ただ、これまでの経験から「いけそう」という気持ちもなくはありませんでした。
その勘が、実は当たっていました。何事もなく完食できました。
多少忙しくないと、それこそ経営に若干不安がよぎってしまいます。ちょっと暇な開院記念日でしたが、“100%”の壁を打ち破った負荷試験があり、うちらしいのかなと思ってしまいました。


