小児科 すこやかアレルギークリニック

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いい話
2012年10月24日 更新

先日、ある患者さんに「食物負荷試験」を実施しました。

かれこれ4年程の付き合いになるでしょうか?。ぜんそく、アトピー性皮膚炎のほかに、重症な食物アレルギーがありました。よくある話でしょうが、ぜんそくは地元の小児科、アトピー性皮膚炎は少し離れた大きな病院の皮膚科に通っていました。

残るは食物アレルギーですが、これはどの医療機関でも診てもらっていませんでした。地元の小児科でたまにアレルギー検査をするのみで、検査が高いだの、低いだのと言われるのみで、何を食べさせたらよいなどの指導は一切ありませんでした。

当院の存在を知り、来て頂いたのですが、ぜんそく、アトピー性皮膚炎、もちろん食物アレルギーも当院ですべて引き受けることにしました。私は当たり前のことをしているだけですが、「アレルギーを総合的に診る」という医療機関が少な過ぎます。

皮膚科はぜんそくは診られないし、小児科はアトピーに詳しくないことが多いので、すぐに皮膚科に“丸投げ”状態のことが多いようです。食物アレルギーも、小児科しか“受け皿”がないため、この患者さんのような診察とも診療ともいえないような「対応」が県内各地でみられています。

アレルギー検査の結果を親御さんに渡し、「何を食べられるかどうかは、お母さんが考えて下さい」なんて平気でいう女医さんもいるようですが、ひどい話です。もっとプロとしての自覚が必要ではないかと思うのです。

アレルギー検査の結果は、多くの小児科医がどうしていいか分からなくなるような、数値の高いものが並んでいます。中でも重症な牛乳アレルギーは完全除去が続いていますが、他の食品はだいぶ解除が進んできています。

ちなみに、ぜんそくとアトピー性皮膚炎はかなり落ち着いていて、アトピー性皮膚炎かどうかも分からないくらいの状態をキープしています。入退院を繰り返していたぜんそくも、発作は軽いものが時折あるのみです。

家は当院から少し離れているのですが、いくつかの総合病院、開業医を通り越して当院に通ってくださっています。自分で言うのも何ですが、それだけの価値を認めて、もう4年も通院して下さっているということなのでしょう。

食物アレルギーに関しても、エピペンを処方しているため、その子の通う園にも何度か足を運びました。最初は、園長にエピペンを預かってもらうように話したところ、いろいろ理由を並べて、拒否されたものです。一度当院に来てもらい、食物アレルギーやエピペンの話をした上でも、拒まれてしまいました。それから更に働きかけを続け、園職員にもアナフィラキシー時の対応を理解して頂き、何かあればエピペンを使用して頂けそうなくらいのレベルにまで到達しています。

「食物負荷試験」を繰り返し、食べられるものもだいぶ増えてきました。栄養バランスなどの栄養士さんの得意分野の部分の指導は足りなかったかもしれませんが、食物アレルギーについてもいろいろと説明したので、知識もかなりお持ちです。普通の小児科医よりも優れている部分もあると思います。

先日、負荷試験をやり、魚も食べられることが判明したのですが、その後でお母さんの「決意」を教えて頂きました。兄弟が3人いるため、子育てだけでも大変なのですが、ある資格を取るために勉強している最中だというのです。

それは何かというと、保育士免許です。

食物アレルギーを持つ低年齢児は多く、小学生よりも高い有病率があるというデータがあります。現状では、食物アレルギーの知識を持つ保育士さんは極めて少なく、必要に迫られて学んだ食物アレルギーの知識ですが、十分に発揮するには保育士という資格はありでしょうし、逆に食物アレルギーの子を持つ親からすれば、心強く、安心してお子さんを園に預けることができるでしょう。その着眼点に脱帽です。

既に取得単位のいくつかは取られているそうで、着実に「夢」に向けて前進しておられます。

久々に「いい話」を聞いたなと思っています。