小児科 すこやかアレルギークリニック

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ガッカリ
2012年12月19日 更新

ぜんそくを持っていると、咳がひどく出て、ゼーゼー言い、呼吸困難を起こします。

普段は元気はつらつで、健康な子どもと何ら差は見られないのですが、発作が出た時だけ呼吸状態が悪化してしまいます。重い患者さんなら、発作を起こしやすいため、日頃から発作を予防する治療が大切になります。ということで、継続的な治療が必要になるのです。

ぜんそくをお持ちであれば、「風邪」をきっかけに明らかに咳が増えたり、咳で眠れなくなったりすることはよく経験することでしょう。「風邪さえ引かなければ、こんなに悪くならなかったのに」と思うこともあります。これは、患者さんやご家族がそうでしょうし、医師も同じです。

きっかけを「風邪」と書きましたが、風邪でなくても気管支炎、肺炎なら言わずもがなです。インフルエンザやRSウィルス、マイコプラズマなどの呼吸器感染症にかかると、ぜんそくが悪化しないことはまずないでしょう。。

患者さんには、体調が良ければ、ぜんそく発作が出ないように身体がカバーしてくれるが、風邪などを引くとカバーしきれなくなり、悪化するのでしょうと説明しています。

アトピー性皮膚炎があると、アレルギー疾患を合併しやすいので、ぜんそくがあるかどうかが気になります。先日、N市から受診された患者さんはアトピー性皮膚炎と診断されていませんでしたが、明らかにアトピーと診断できる状況でした。

先ほど述べた通り、アレルギー疾患を合併しやすいので、食物アレルギーやぜんそくがないか問診をする必要があります。アレルギー検査をやってみましたが、結果は卵がクラス4でした。

この結果を受け、多くの小児科医が卵アレルギーと診断し、卵を除去するように指導するでしょう。ただし、この患者さんは卵料理は少し食べたことがあるそうです。お母さんは、これまで卵を食べてもアレルギー症状を起こしたことがないため、急に「卵アレルギーです」と診断されても困るでしょう。

クラス4であっても、症状が誘発されたことがないのであれば、卵アレルギーとは診断できないことになります。ただ、これまでは少ししか食べたことがないため、量の問題かもしれません。つまり、多めに食べたら蕁麻疹が出てしまうのかもしれないのです。この辺を確認する必要がありそうです。

この患者さんは、卵アレルギーを合併していると言えるのか定かではありませんが、卵アレルギーの可能性はあると考えてもいいと思います。次に、ぜんそくはないだろうかと問診を進めることになります。

ぜんそくについても、残念ながらありそうです。前医は気付いていませんでしたが、いつも言っているように、アトピー性皮膚炎もぜんそくも正しく診断されずに、適切な治療もされていないことはよく見かけますので、もう何も驚かなくなっています(汗)。

ぜんそく症状が出ていたので、治療薬を出すことにしました。軽症ぜんそくにはとても有効なので、「咳は徐々に減っていくはずです」とお話ししました。多くの患者さんがぜんそくを見逃され、“風邪薬”などを処方されているので良くならないのであって、病態に見合った治療がなされれば、たちどころに症状は改善するはずです。

再診して頂いた時に、良くなっているはずと思って聞いてみると、「咳は出ている」とおっしゃいます。「これはおかしい」ということになります。

となると、私の診断が間違っていることすら考えないといけないのです。初診から再診までの2週間の間に何があったということになります。

話を聞き続け、その理由が分かりました。当院を受診して5日くらいして、発熱してしまったと言うのです。しかも、4日ほども解熱しなかったそうです。これでは、邪魔されてしまい、咳が減るはずもないのです。

「ああ、そうか」と思ったのも束の間、衝撃的な話を耳にしました。市外から受診されたために、発熱の際に別の小児科を受診したそうですが、医師の指示で当院の薬をすべて止められてしまったのです。

小児科医なら、ぜんそくは感染症が加わると、より悪化することは知っているはずです。熱があれば、尚更止めてはいけないのに、中止されてしまっていたのです。これには呆れてしまいましたし、驚きました。

ちなみに、薬を飲み始め、咳は減り始めており、親御さんも「効いているな」という印象は感じていたそうです。発熱してしまい、更に悪化させないために、肝腎要の薬を飲み続けるのが普通なのに、止めてしまったので、悪くなるのは当然と言えます。

最近は、お薬手帳があるため、薬を飲んでいるのであれば、処方した医師が何を考え、何を処方したか確認して欲しいと思っています。長引いていた咳を良くするチャンスだったので、正直言って、足を引っ張られた気分です。

咳の良くならなかった理由が判明したので、親御さんにはなぜ私の言った通りにならなかったかを説明しました。医師が全く別のことを話すと、どちらを信用していいか分からなくなるでしょう。あれだけ通っても良くならなかった皮膚症状が良くなってきたので、またアレルギーに関して、いろいろ理論的に説明していたので、私の部がありました。薬はもう少し飲んで頂こうと思っています。

いろんな判断をする医師がいるとは思っていましたが、今回は本当にガッカリでした。結果的にも、親御さんにもそういう“事実”が伝わってしまったようです。