28日に、今年の診療が終わりました。
29日まで診療している小児科もあるようですが、一足お先に冬休みとさせて頂きます。ご了承ください。
ふと考えると、今年もあと数日。毎日、目の前の仕事に取り組んできたため、1年があっという間だったように感じています。講演で外に出ることが開院以来もっとも多く、心地よい疲れを感じた1年と言えると思います。
当院の場合、アレルギーという慢性疾患を中心に診ていることもあり、“駆け込み需要”というのがあります。それもあり、ここ最近は結構忙しかったです。
普通は、発熱や咳、嘔吐などの急性疾患による症状がみられたら、慌てて小児科を受診するのだと思います。
当院ですと、例えばぜんそくで薬を中止していた患者さんが、当院が休み期間中に咳が悪化したら困るということで、早めに薬をもらいにくるとか、アトピー性皮膚炎の患者さんが軟膏が減ってきたため、薬をもらいにくるという形の受診があります。慢性疾患ですと、休日診療所を受診しても適切な薬が置いてなかったりするからです。
アレルギーは慢性疾患のため、風邪を引いてぜんそく発作が出たとか、アトピーが悪化したとか、想定できる症状が起こることが多いので、こういうことが可能なのです。それには、日頃から患者教育というか、「こういう症状が出たら気をつけてね」などと悪化の兆候を知っておいて頂く必要があります。
風邪の「咳」とぜんそくの「咳」は、当然のことながら異なります。咳の性状、タイミングなどが異なるのです。比べてみると、全然違うことに気付きます。親御さんには“違いの分かる”大人になって欲しいのです。
最近は、当院を「咳が止まらない」という理由で初めて受診されるケースが後を絶ちません。咳が長引く、繰り返せば、“風邪”ではないことが多いのです。要は体質でそういうことが起きているのであれば、ぜんそくが隠れていたりします。
その際に役立つのが、風邪とぜんそくの「咳」の違いです。説明すると、すぐに理解して頂けます。あと、それまでかかっていた小児科で、いわゆる“風邪薬”はさんざん飲まされています。「“風邪”じゃないから“風邪薬”が効かない」ということも、言われてみれば当たり前のことでしょう。
咳がひどくてもじきに治ってしまえば、「急性」の病気だし、繰り返し、長引けば「慢性」の咳なのです。多くの小児科で、「慢性」の咳を「急性」として扱われていることが問題です。先ほど「咳」は病気で異なると書きましたが、ビックリすることに、その差を理解していない小児科医もいます。それがいつものように言っている、“誤診”につながっています。
上越の地に小児科医院を開いて5年を過ぎました。当初は、アレルギーの医院と周囲から思われていたようで一部の市民しか知らなかったようですが、最近は小児科の医院として認識されてきたように思います。
それを表しているのが、ネットの口コミサイトです。以前も触れましたが、ネット上で病院等を検索する最大の口コミサイトで、各地域の小児科を調べることができます(図)。
見てみると、当院が閲覧数で最多になっています。今年の春くらいまでは、3~5番目くらいに位置していることが多く、1位になったことはありませんでした。自分では、今年の夏に市内の園で感染症の講演をした辺りから、当院が小児科として注目されてきたように感じています。
真面目に、ひたすら良心的な医療を心掛けているつもりです。「ここで点滴すれば利益が上がるんじゃないか」とか「この検査をすると医院の持ち出しになるから、したくない」とか、そういう医療の本質から外れるようなことは考えていないつもりです。
当院は、地元のケーブルテレビやラジオで宣伝し露出することもなく、子どもを預かるサービスをしてる訳でもなく、患者さん宅に「うちで予防接種を受けて下さい」なんて手紙も出していません。待合室で待っている子どもにスタッフが絵本を読み聞かせるようなこともやっていません。
更に、自慢することではないですが、待ち時間の長さは市内の小児科ではトップだと思います。院内感染には相当配慮しているつもりですが、その点を気にされては最も受診を避けたくなる小児科だと思います。
市内では有名な小児科さんもあるようですが、小児科の医院の最大のサービスは「適確に診断をつけ、それに見合った適切な治療をすること」に他なりません。それが欠けて、他のサービスを充実させても、本末転倒と言えるでしょう。
私だって人間ですから間違うこともあります。熱が続き、咳も出ている患者さんに、周囲にインフルエンザがいないからという理由でインフルエンザを調べていませんでしたが、なかなか解熱しないので、念のためと検査してみたらインフルエンザが出たこともありました。こういう時は「申し訳なかった」と謝っています。
でもいつも言っているように、症状が改善しないのに、診断や治療を見直そうとしない医師の対応は、明らかなミスと言えると思います。一昨日も触れましたが、“リピーター”する小児科医はおり、地元の医療の足を引っ張っています。
市外からもアレルギーで困っている患者さんが当院を頼って下さり、地元ではまっとうな医療をする小児科と認識されてきたと考えると、身の引き締まる思いがします。自分の得意分野をより活かすためには、もっと知名度を上げたいところです。
なぜなら、咳が長引いても、多くの患者さんが「急性」の病気だと思っているし、痒い湿疹が長引いても、アトピーさえも疑わない患者さんが多いのです。よもや、アレルギーの病気があるとは思っていないので、当院に相談に来ようとは考えつかない親御さんがまだまだ多いと思っています。
今年になって、地元で小児科医として認知されてきて、それなりに注目されてきていることは正直嬉しいことです。ただ、もっと私が関わることで症状の改善する患者さんはかなり多いと思っており、まだまだ上越の地で私のやりたいことはスタートしたばかりなのだろうと思っています。



