年末年始のお休みが、あっという間に終わってしまいそうです。
これだけ6日にも渡り、診療を休むことは滅多にないため、今のうちの身体を休めておきたいという気持ちもありますし、普段できていない父親らしいこともやっておきたい気もします。
1月2日となると、店もやっていたりして早くも通常営業に戻っていることもあります。子どもを連れて、自分のゆっくりできると言えば温泉でしょうか。私も子どもも、蕎麦が好きだったりします。
蕎麦がおいしくて、温泉も入れるという一石二鳥を狙うと、小千谷の道の駅「ちぢみの里」が思い浮かびました。
そこは、温泉に併設された食堂で、「へぎ蕎麦」が食べられるのです。海藻をつなぎに使った新潟独特の蕎麦で、私のイチ押しです。県外から「すこやか健康フェア」のために講師の先生に来て頂いたときは、それを食べて頂いています。そこまでは家から100キロほど離れていますが、高速を使えばそう苦でもありません。
ということで、ドライブがてら行ってきました。小千谷も豪雪地帯ですが、周囲には雪は結構ありましたが、路面にはなかったため、すんなりと辿り着きました。
やっぱり温泉は、いいですね。思ったほどの混雑でもなく、雪見露天風呂も味わえました。昨年は1月上旬から講演の予定が入っていたため、気になっていましたが、今年は下旬まで講演の予定はありません。気兼ねなく、ゆっくりできました。
家に帰って、しばらくして夕食になりました。子どもは小さな椅子に座りながら、ご飯を食べるのですが、ちょっとふざけて重心を後ろに倒したら、そのまま後ろに倒れてしまいました。
ここまでは、たまにあることです。実は、“流血の惨事”になってしまいました。ちょうど柱の部分に後頭部がヒットしてしまったようで、血が溢れてきます。
タオルで押さえつつ、傷を確認しなければなりません。1.5センチほどの幅で、ちょっと深めに傷ができており、そこから血が流れているのが見えました。
一瞬、「縫わないといけないかな」と思いました。勤務医時代は、病院で当直業務をしていると、怪我の患者さんも来られます。ひどい傷は整形外科の先生を呼ぶことになっていましたが、そうでもなければ自分で縫合していました。
ただ、医院に行っても縫合セットは置いてありません。傷は本職に任せればいいと、用意していなかったのです。ここは、冷静に判断しないといけません。
小児科医たる者、ある程度のことは診なければならないと、この場で言っています。ちょっとした耳鼻科や皮膚科、眼科的なことなら、小児科医が対応するのが普通ですが、この辺ではやれ「耳鼻科に行け」とか「皮膚科に行った方がいい」などと言われることが多いようです。
今回は、外科もしくは整形外科的な対応が求められています。基本は、圧迫止血です。傷が深く、止まらなければ夜であったも病院へ行く必要があると思います。子どもを抱きながら、傷口を圧迫することになるのですが、本人は力ずくで押さえられ、自由が利かないのも怖いようです。
結構勢いよく血が流れていたので、私自身も不安はありましたが、時間を掛けて圧迫していたら、止まってくれました。やれやれという感じです。
以前、口の中を深く切ったお子さんが、当院がかかりつけだったため、お母さんが慌てて受診されたことがあります。幸い、受診時には血が止まっていましたが、傷が深めだったので、私の方も慌てて、口腔外科に紹介状を書いたことがあります。
まだ小さい子だったので、全身麻酔でもしなければ縫うことはできないだろうと思っていました。数日後、別件で受診された時に「塗ってもらった?」と聞いたら、「縫わなくていいと言われました」という意外な返事が返ってきました。
これまでそういう経験はしたことがなかったので、「えー、ウッソー」と思い、どれどれと口の中を見せてもらうと、ビックリするほどの回復力でした。「こんなに早く治るんだ」と衝撃を受けた次第です。
医療は、エビデンス(医学的根拠)が重んじられている時代ですが、ある程度経験は必要だと思い知らされました。この経験を活かせば、血さえ止まってしまえば、あとは傷口が閉じるのを待つだけでしょう。最近は、傷口の消毒はかえって治りを悪くすると言われており、自然治癒力の足を引っ張らないことが重視されています。
子どもがここまで血が出たことがなかったので、一瞬救急外来に連れていくことも頭をよぎりましたが、傷が結果的に大したこともなかったので、応急処置で何とかなりました。
怪我をしたと慌てて受診される親御さんの気持ちが分かった気がします。新年早々の“事件”でしたが、そういう意味では収穫と言えるのかもしれません。
今日は、スキー場に行き、スキーデビューとも企んでいましたが、今回の怪我でそれが消えてしまいました。休みのあと1日は、もう少し休めと神さまが言ってくれているのでしょうか?(笑)。


