小児科 すこやかアレルギークリニック

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22日の夕方にテレビ放映
2013年01月21日 更新

土曜の診療が終わったあと、テレビの取材を受けました。

ここ最近触れていることですが、年末の調布市での食物アレルギーのよる死亡事故は多くの人に衝撃を与えました。これは一般の方だけでなく、専門医にとってもショッキングでした。

私自身、食物アレルギーに力を入れており、死ぬことはもっとも避けなければいけないことです。エピペンなどの対処法の啓発に力を入れてきたのは、変な言い方ですが、“いかに死なせないようにするか”ということを考えてきたつもりです。これを受けて、もう2回目は許されないのです。

新潟県は、いつも言っているように食物アレルギーの専門医が極めて少なく、対応が進んでいるなんて言えない状況です。いつ何時、子ども達が危険な目に遭うか分かりません。今回の取材では、「新潟県の現状を知ってもらう」ことを強調したいと思っていました。

頭の中では、こういう質問にはこう答えよう、というのがあったのですが、いざテレビカメラを目の前にすると、やはり冷静に話せないものです(涙)。夕方のNSTのニュースの枠で放映されるそうですが、取材を受けた私でさえも、私の話したどの部分が使われるのか分かりません。

そんなこともあり、私の言いたかったことをこの場で言っておこうかと思っています。

まず、ここ最近書いたことと重複してしまうかもしれませんが、まず必要以上に動揺して欲しくないということです。

今回の死亡事故も原因は乳製品ではありましたが、小児に多いアレルゲンは、卵、牛乳、小麦とされます。成長とともにあらかたは治っていくと言われています。小さいうちに牛乳アレルギーを克服してしまうケースも少なくないのです。

ただ、現在の医学をもってしても、ひと握りの治りにくい重症者がいることも確かです。最近は、経口減感作療法という方法もありますが、まだ研究段階で、多くの患者さんに適応されていないのも現状でしょう。

特に低年齢のお子さんは、まだ治る可能性を充分持っているので、ちょっと食べてしまうことが死に直結するかと言えば、そうでないことが圧倒的に多いのです。園や学校で、誤って原因食品を食べてしまう「誤食」は、実はかなりの頻度で起きています。私の知る限り、死亡に至ることはまずありませんでした。少し冷静になることも大切だと思うのです。

あとは、治りづらい患者さんがいることも確かであり、人間はミスをしてしまうものなので、先ほど述べたように誤食はそれなりの頻度で起きてしまいます。となると、アナフィラキシーショックを起こす可能性は常について回り、園や学校にエピペンを持った患者さんがいれば、誤食時のシュミレーションをしておく必要があります。

園長や養護教諭だけば知っていればいい訳ではありません。園長や養護の先生が休みの日でも誤食は起きる可能性があるからです。つまり、職員全員が知っておくべきことなのです。

私がエピペンを処方している患者さんについては、まずその子の通う園や学校にエピペンを預かってもらうようにしています。最初は断られることが多く、その子の住む市町村もエピペンを預かるシステムが構築されていないことがほとんどでした。行政と交渉し、システムを作って頂き、市側が園や学校に周知徹底し、私が患者さんの通う園や学校に出向いて、アナフィラキシー時の対応を職員全員の目の前で説明すれば、そこで一応は合格レベルと言えると思います。

当院は県内の上越、中越からの受診が多いのですが、合格レベルというと地元上越市、妙高市、柏崎市などがそれに当たるのですが、これも先日述べましたが、ある市の園では誤食が起きたら「お母さんからエピペンを持って園に駆けつけてもらう」のだそうです。

果たして、こんな対応で間に合うでしょうか?。「保育所にけるアレルギー対応ガイドライン」ではこんな対応は許していません。逆に、園や学校の先生方は子どもはもちろん、自分の身を守るためにも、ガイドラインに沿ったやるべきことをやらなければいけないのだろうと思います。

県内は30市町村ありますが、まともに対応しているところは数えるくらいしかないのが現状です。いつアナフィラキシーショックが起き、園や学校での対応が後手後手に回ってしまうかと不安で仕方ないのです。できれば、県庁が主導権を持って新潟県にガイドラインに沿ったシステムを一気に作り上げて頂きたいのです。そういうこともお話ししています。

行政の方には是非番組を見て頂き、「やらねば」という気持ちを持って頂きたいと思っています。私自身は、数少ない専門医として協力は惜しまないつもりです。