先日、S市から赤ちゃんの顔の湿疹で受診がありました。
まだ小さいので、地元に実家があり、里帰り出産中の受診かと思いましたが、そうではないようです。当院までは100キロくらい離れており、高速道路の路面に雪がないとは言え、女性には運転は大変だったと思います。
普段は、隣のM市の小児科にかかっているようです。脂漏性湿疹や新生児ニキビといった診断がおりていましたが、私はアトピー性皮膚炎であろうと考えました。
いつも言っていますが、医師の診断がマチマチだと、患者さんは誰を信じていいか分からなくなるはずです。そもそも患者さんには、医師が「アレルギー科」を標榜していても、本当はアレルギーに詳しくないケースがかなり多いため、誰がアレルギーに詳しいのかを判断する術はありません。
アレルギーは奥が深く、私も何でも分かる訳ではありませんが、アレルギーの基本的な捉え方は知っているつもりです。それがズレたり、ブレたりしていると、いつも繰り返しているぜんそくを“風邪”、“気管支炎”、“マイコプラズマ”、アトピー性皮膚炎を“乳児湿疹”などと「誤診」をしてしまうのです。
咳が長引くと、小児科や耳鼻科にも行くケースが、湿疹があると小児科や皮膚科に行くケースが多いと思いますが、他科でも先ほど述べた「誤診」はかなり多く、もっと医師はアレルギーに関心を持つべきではないのか?といつも思っています。
いずれにしても、先日受診された患者さんは、遠路遥々来られただけに、それだけ悩みも大きいのだろうとお見受けしました。長距離運転するだけの価値を見出して頂きたいと思います。
私は前医と異なる判断をした訳ですが、30分くらいはお話ししたでしょうか?。その時点で、信頼は当院に傾いてくれると思っています。何故なら、多くの小児科、皮膚科では1人の患者さんに30分の時間も掛けないからです。どこの小児科、皮膚科に行っても3分くらいでしょうか?。
例えば、汗疹や虫さされなどは一時的な湿疹ですから、私も30分も話がもちません(汗)。アトピー性皮膚炎なら、診断基準や食物アレルギーとの関連、ステロイド軟膏使用の是非、塗り方などなどを話せば30分くらいはすぐに経ってしまいます。慢性疾患なので、話すことはいくらでもあります。
あと、時間を掛けない医療機関が多い中で、時間を掛け、理論的に説明すれば、親御さんには、それはお子さんの病気を「絶対に何とかしたい」と思う私の気持ちの表れと伝わると思っています。
また2週間後に受診することを承知して下さいました。多分、私の思いは伝わったのだろうと思っています。
ただ、どんなに口がうまくても、結果が伴わなければ意味がありません。このケースでは、病気がよくらない場合です。逆に、言われた通りに治療して、改善があれば「この医師は信用に値する」と捉えて下さると思っています。
当院に逃げてこられる患者さんのほぼ全員が「誤診」されています。敢えて言えば、それくらい専門医がおらず、地元のアレルギーの医療レベルは高くないことが見て取れます。今回のS市も専門医がおらず、似たような状況でしょう。
どんなに距離があっても、子どものために一生懸命通院して下さる親御さんはいます。診療に関しては、まさかこちらから出張していける訳ではないので、あとは結果を出し、キチンと向き合いつつ、治療していくことだろうと思っています。


