小児科 すこやかアレルギークリニック

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たった2回でも
2013年04月15日 更新

最近は、アトピー性皮膚炎の赤ちゃんの受診が目立ちます。

毎年この時期に受診が増えるのですが、こんなにも専門でない医師による“誤診”が多いのかと驚かされます。

いつも言っているように、医師なんだから何でも知っているかと言えば、全然そんなことはないのです。逆に、「お医者さんに任せておけば大丈夫」という“幻想”は捨てるべきでしょう。良心的な医師ほど正直な対応を取りますが、そうでない医師は「分かりません」とか「紹介状を書きましょう」とはまず言いません。

新潟県は南北に長いのですが、最北端の街から患者さんが来られました。ご実家が上越にあり、帰ってきたついでに当院に相談に来られたという格好です。なぜ当院に来られたかと言えば、地元に嫁いだお母さんの妹さんの息子さんはアレルギーがあるため、当院で診ています。「湿疹」をアレルギーとは説明されていなかったようですが、当院に救いを求めて受診されたのです。

お母さんの「アレルギーによるものかもしれない」という予想は的中しました。そう、アトピー性皮膚炎だったのです。

当院にはこういう患者さんが多いのです。医師からアトピー性皮膚炎の「ア」の字も言われていないのに、アトピー性皮膚炎と薄々感づいて受診されるのです。

医師が分からないものを、医学には素人であるはずの親御さんが分かってしまうのは、相当問題があると言えましょう。いや、こういうことがあるのがアレルギーだからなのかもしれません。

当院に通院している食物アレルギーの患者さんのお母さんは、地元の普通の小児科医よりは知識があると思います。医師は「そんなはずはない」と思うでしょうが、残念ながらかなりの確率で事実だろうと思います。

今回のお母さんも、地元の小児科に通ってなかなか良くならなかったため、アトピー性皮膚炎と診断された方がスッキリとするのでしょうし、だいたいの親御さんが「あぁ、やっぱりね」という顔をされます。

これもいつも言っていることですが、敵が分かった方が、親御さんも戦いやすいでしょうし、多くの方がほとんど説明なくステロイド軟膏を出されており、漠然と塗っていることに不安を感じています。

少なくとも当院を受診される患者さんの中に、キチンとステロイド軟膏の塗り方や副作用をしっかり説明を受けている方はまずいません。ステロイド軟膏が使われていること自体“隠蔽”している医師もいるくらいです。残念ながら、医療レベルもモラルさえも低い医師は存在します。

アトピー性皮膚炎と分かれば、一旦良くなっても、じきに悪化したりすることはよくあることですし、現時点でステロイド軟膏を使った、いわゆる対症療法がお薦めの治療に当たります。その辺を理解した上で、治療に取り組んで頂く必要があります。

専門医が診たところで、やはり完治は決して簡単ではありません。皮膚を継続的に良い状態にしておくことが最大のポイントと言えると思います。皮膚を掻いては悪化、掻いては悪化を繰り返していては、なかなか目標には近づけません。

いずれにしても、まずアトピー性皮膚炎という慢性疾患であることが分かっていなければ、箸にも棒にも引っかからないのです。治療の第一歩を踏み出せないのと同じです。

今回の親御さんには、アトピー性皮膚炎と診断されることを説明しました。地元の医師を信頼していたとしても、敢えて言えば、信頼を裏切るようなことをしたのは医師の方なので、その辺も含めしっかりと認識して頂く必要があります。

あと、これも心掛けていることなのですが、治療を初めて短期間で、キッチリと効果を親御さんに見せることはかなり重要なポイントとなります。ステロイド軟膏をしっかり使うことで、皮膚症状が驚くほど改善することを知れば、これまで以上に積極的に治療に取り組むことができるのだろうと思っています。

まもなく自宅に帰られると言うことで、帰宅前にもう一度再診して頂くことにしました。前医にかかっていてもなかなか良くならなかった湿疹が、あっという間に改善すれば、より私の言うことを理解し、信用して頂けると思うのです。

あいにく、当院まで200キロ近く距離があり、通院は難しいと思います。あとは、ある先生にお任せしようと思っています。本当は自分自身で責任を持って診ていきたいと思っていますが、物理的に難しい場合は仕方がないでしょう。

ただ、敵がアトピー性皮膚炎であり、薬物療法をしっかりやって皮膚症状を安定させていくという導入部分にかかわれたことは良かったと思っています。多くの患者さんにおいて、その辺がいい加減な状態になっており、かなり理解が進んだと思われます。たった2回受診して頂くだけですが、今後の治療というか、取り組みにそれなりに貢献できたのではないかと考えています。