診察室の私の机の左側には、アイパッドが置いてあります。
多分、必要最低限の機能しか使っていないと思います(汗)。アイフォンなども取扱説明書を読むのが面倒で、フル活用しているとは程遠いと思いますが、これも年を取ったせいなのでしょう…。
便利なアプリが沢山あるそうですが、情けないことに、ネットとメール、あと画像を患者さんに見せる時くらいしか使っていません。
仕事の合間にメールチェックしたり、ネットニュースを見て、例えば「元モー娘。の〇〇が離婚したんだって」とか言って患者さんとのコミュニケーションに使えたりします。
先日、腕を動かさないというお子さんが受診しました。開院以来4~5人は診ているでしょうか、肘内障という肘関節の外れる病気でした。
小児科医たるもの、ある程度は耳鼻科、皮膚科、眼科、整形外科的なこともやらなければなりません。
よくあるのは、お子さんと手をつないで歩いていて、転びそうになったところを転ばないように腕を引っ張りあげた時に外れてしまうようですが、この子の場合はそういうきっかけはハッキリしませんでした。
過去の患者さんはすべて整復してきました。そんなに難しいことはなく、腕をひねりながら曲げると上手く入ります。多くの小児科医が経験していることです。その時に、肘にあてがった自分の指に「コクッ」という感触を感じることが多いのです。そうして外れた肘関節が入ると、腕を動かすようになります。
この患者さんにも同様にやってみましたが、例の「コクッ」という感触は感じませんでしたが、腕を少し動かすようになったため、整復されたものと思っていました。
その日の午後、また「やはりまだおかしい」と再診されました。お恥ずかしい限りです。自分のやり方がおかしいのかと思い、「どうしようか」と一瞬思いました。
「あぁ、この手があったか」とすぐ隣に置いてあるアイパッドに手を伸ばしました。インターネットで「肘内障 整復」とキーワードを入れると、何とユーチューブで医師が整復している動画があるではありませんか。
それを参考に、もう一度整復を試みました。最初のやり方では肘の曲げ方が足りなかったようで、今度は確かに「コクッ」という感触も伝わりました。そして腕を自由に使えるようになりました。
「アイパッド様様」って感じで、「こんな風にも使えるんだ」と思ったものです。
それから昨日のことですが、私の診ている患者さんのお母さんから自分のアレルギーについて相談を受けました。
何やら最近になって豆乳を飲むとのどの奥が痒くなると言うのです。以前学会に参加した時に、結婚して毎朝のように納豆を食べるようになってから、納豆でアナフィラキシーを起こしたという報告を聞いたことがあります。確か、大豆アレルギーではなく、納豆にのみ反応するということを証明された報告でした。
それとは別に、豆乳で口腔アレルギー症候群を発症する大人がいることも聞いたことがあります。まさにそのケースです。
若干自信がなかったので、確認と思い、アイパッドを手に取り、ネット検索で「豆乳 口腔アレルギー症候群」と入力すると学会発表の報告が出てきました。
大豆は、以前は子どもの3大アレルゲンの一角を占めていましたが、現在は原因としてはかなりランクを落としています。実際、私の診ている範囲では、大豆で即時型反応を来すケースはかなり少ないようです。大豆がクラス2で「除去、除去」と指導されているケースもたまにありますが、だいたい解除できています。ただし、ごく一部ですが、豆腐で負荷試験をしてじんましんが出てきたケースも経験しています。
牛乳アレルギーがあると、豆乳を代わりに飲ませている園もあるようです。成人の報告が多いようですが、このように豆乳が口腔アレルギー症候群の原因となることもあるのです。
頻度的にアレルギーを起こしにくくなっている大豆で、しかもやや抗原性の落ちている豆乳で「アレルギーを起こすはずがない」なんて思っていると、とんだ“誤診”につながってしまいます。
以前は調べものをする時は、医院の二階に上がって調べることもありましたが、こんな感じで結構重宝しています。


