小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

最終報告書
2013年07月24日 更新

今日は、水曜日です。

いつもながらの「院外活動」に出掛けてきます。今日は、お隣の妙高市に出向きます。

昨日も食物アレルギーの対応についてニュースで報道されていましたが、耳にした方もいらっしゃると思います。

昨年12月の調布市での誤食による死亡事故を受け、調布市が再発防止策を協議してきて、その最終報告書がまとまったというものでした。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130723-00000034-mai-soci

この記事をお読み頂ければ分かりますが、すべての市立小学校にアレルギー食対応の調理スペースを設置することなどを求めるものでした。

確かに、コンタミネーションと言って一緒に調理すると、気をつけているつもりでもわずかな量のアレルゲンが混入してしまうことがあります。軽症なら反応しないものの、超が付くくらいの重症の患者さんだとアナフィラキシーを起こし得ます。

調理の空間を分けることは意味のあることだし、方向性は正しいと思います。ただ、これだけ不景気な世の中で、それだけのお金を捻出できるのでしょうか?。ちょっと心配です。

記事にも書かれていますが、食物アレルギーについて学校職員が学ぶ機会もなかなかなく、死に至る可能性もあるなど危険性を十分把握していなかったことが指摘されています。

と同時に、今回の報告書では、エピペンの研修、お代わりの当面禁止、ソバやピーナッツの使用禁止などが挙げられています。

どれも大切なことです。お代わりの禁止というのは、育ち盛りの子どもにとってはかわいそうな気もします。もちろん、死亡事故のきっかけは“お代わり”だったことは知っています。アレルギーは起こしにくいご飯なども禁止になってしまうのでしょうか?。

ソバは、これもだいぶ前の話になりますが、学校給食でソバを食べて死亡事故が起きて以来、給食には出ないものだと思います。ピーナッツもアメリカなどでは死亡するケースが多数あると聞いており、使わないのは賛成です。

ただし、個人的にはクルミやカシューナッツでアナフィラキシーを起こすお子さんを経験しており、これらの扱いはどうなるのでしょうか?。

まずやって欲しいことは、食物アレルギーがどういう病気で、どんな症状が起こるのか、どう対処すべきなのかなどの基礎的なことを学ぶことではないかと思います。こういう研修会にも当然お金はかかりますが、調理室の改修よりはかからないだろうと思っています。

食物アレルギーは、多くの人が“知っているようで知らない”というのが現状だと思っています。ここで医療のプロである医師の出番となります。

各学校には学校医がいます。学校の医療的な問題を解決するために学校医がいると認識しています。

ここ最近、エピペンの研修が全国各地で行なわれているようですが、医師が指導していないケースもあるようです。できれば医師が行なうべきです。どういうタイミングで使う必要があり、もしくは必要がないかを医学的見地に基づき、医師から説明があった方が伝わると思います。

食物アレルギーを診ているのは小児科医が多いと思いますが、巷にはエピペンを1本も処方したことのない医師が多いと思います。残念ながら、こういう医師が話しても、あまり説得力はないと思っています。

となると、食物アレルギーにこだわって診療している小児科医ということになりますが、例えば新潟県ではほとんどいなくなります。

食物アレルギーの対応が“待ったなし”なのは間違いありません。現場の関係者の教育も急務です。その中心的な役割を果たすのが小児科医でしょうが、これまでみてきた通り、適任の医師が少ないのも事実です。医師の教育という問題も挙げられるでしょうし、逆にそれがネックになっているのかもしれません。学校や園の現場では食物アレルギーを知ろうという気運が高まっていますが、医師の間ではあまりそういう動きは耳にしません。

いろいろ考えていくと、一筋縄には行かないことが分かります。この現状で“なりふり構わず”前に進んでいかなければいけないのだろうと思っています。