少し前にレックリンハウゼン病の話をしました。
アレルギーがあり、私の診ている患者さんが神経の難病であるレックリンハウゼン病を心配されていました。特徴的とされる斑点を、ある地区の大病院の皮膚科で診てもらっているのですが、母がレックリンハウゼン病のことを聞いても、「自分でネットで調べて、自分で受診して下さい」と言われたそうです。
確かに神経の病気で、小児科も関わることのある病気ではありますが、現時点で皮膚にしか所見がなく、だから皮膚科にかかっているのに、皮膚科医が自分がプロであることを放棄し、すべてを患者さんになすり付けるような発言をしています。その子に関わっている他の医師も含め、全く協力的ではありませんでした。まあ、医師のモラルもここまで落ちたと思うしかありません。
当院に来られた時にその話を聞いたため、私が何とかしなければと感じました。たまたまその数日後に日本小児皮膚科学会があり、これも何かの巡り合わせでしょうが、レックリンハウゼン病について、日本の第一人者の先生が講演されたいたので、講演後にその先生に直接質問してきた話をしました。
その先生は、某国立大の学長までされた方で、定年退職後に関東の某市で皮膚科を開業されています。お母さんに、ちょっと遠いけれども、そんな素晴らしい先生の診療が
受けられる旨を伝えていました。
お母さんはお子さんの病気のことをとても心配されていて、ならばと先日受診してこられたそうです。
300キロ以上離れていますので、「遠いから受診できない」という方もいるでしょうし、「千載一遇のチャンスなので、是非とも受診したい」という親御さんもいることでしょう。
多くの小児科をはじめとする医師が、食物アレルギーの患者さんに「食物負荷試験」という検査があることを説明していないという現実があります。これもこのケースと似ていると思っています。
市外の患者さんが、当院で負荷試験をやっていることを教えられた上で「遠くてなかなか受診できない」というのであれば、それは親御さんが決めたことのなので、その結論を尊重すべきでしょうが、教えられていないのであれば、医師が説明責任を果たしていないし、朝鮮半島の某国と一緒で、都合の悪いことは教えられず、“情報操作”されているのと同じです。
私は、こういう患者さんをあざむくような行為は好きでないため、今回の神経の病気が疑われるケースでも、患者さんにベストと思われる選択を提示したつもりです。
先日、お母さんが日本の第一人者の先生に診てもらった時のことを報告して下さいました。もっと時間が経ってから神経の症状が出てくるようで、現時点で診断できないことや注意点など時間をかけてアドバイスを頂いてきたようです。
自分で言うのも何ですが、「良いことをしたな」とちょっと思いました(笑)。
患者さんの多くが、こういうレアなケースではありません。でも、ここまで深刻でなくても、病気で困っている患者さんが医療機関を受診される訳です。各々の患者さんに適確に診断し、適切なアドバイスを送るのが我々医師の仕事であり、受診された患者さんに「良いことをしたな」と思えるような対応が求められているのだと思っています。
昨日も食物アレルギーの講演があり、市内の小学校に行ってきました。給食後にアナフィラキシーショックを起こしたにも関わらず、原因検索もいい加減で、エピペンすら処方されていなかったケースを先日、この場で取り上げました。その学校にも、似たような感じで診断されているケースのお子さんがいるそうです。
食物アレルギーは食事により、最悪の場合、死に至る病気です。特に子どもは、成長や発達のためにどんどん栄養を摂らなければなりません。今後の食事に不安があっては困りますし、キチンと根拠のある診断をする必要があります。
私が診ても、原因を特定できないケースもあります。でも分かる努力は精一杯しているつもりです。これは半ばプロとしての意地みないなものも正直あります。
ところが巷では、園や学校の先生が聞いても理解できないような“根拠”で「診断」されているケースも少なくないのだなと思いました。キチンを診断しようとしない医師は、こういうことをリピートするのだろうと思っています。
なぜ「よく分からないので、専門医に紹介します」と言わない、言えないのだろうかと不思議でなりません。患者さんの命に関わっていることもあるのに、“その場しのぎ的”な診断が結構あります。
患者さんにとって、医師の言うことは「絶対」です。ところが、「絶対」でも何でもなく、逆に患者さんにとって迷惑という診断も見かけるのが食物アレルギーです。
もっと「良いこと」をする医師が増えなければ、現状は変わらないと思っています。


