小児科 すこやかアレルギークリニック

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10年来の願い
2013年08月09日 更新

最近は、年齢の上のお子さんの負荷試験が目立ちます。

先日は、中学生のお子さんの負荷試験をやりました。もう何年来の付き合いになりますが、魚介類のアレルギー検査が高く、除去を続けてきました。

私も負荷試験をやり始めて10年以上になりますが、ニーズも頻度も高いのは卵、牛乳、小麦だと思います。数多く手掛けていると、様々な食品に対してニーズも出てきます。

ご存知のように頻度の高いものは、一般的には治りやすいものが多く、先ほど挙げた卵、牛乳、小麦がそうだと思います。これらは除去し続けるのも難しく、是非とも食べさせてあげたいと思うため、優先して負荷試験をやっていくことになります。

一方、ソバやナッツ類、甲殻類や魚類は治りにくい、大人のアレルゲンであり、負荷試験も「まだちょっと無理かな」と先送りになることが多いようです。

今回のお子さんの場合、魚や甲殻類の検査の数値が高く、除去を続けていましたが、少し前から魚の負荷試験をやってきました。いよいよというか、甲殻類の番になったという感じでしょうか。

これまで甲殻類はエビもカニも除去してきました。私としては、食べられそうな方から負荷試験をしたいと思っており、最近の検査ではエビがクラス4、カニがクラス2だったため、まずカニの方からとなりました。

もう中学生で、ずっと除去していたものを食べることは勇気のいることだと思います。なかなか負荷試験を進めてこれなかったのですが、魚は食べられるものの出てきて、ちょっと自信がついてきたのかもしれません。

いろいろとアレルゲンが多い場合、負荷試験は繰り返し行なう必要があるのですが、負荷試験をやってもしアナフィラキシーを起こしてしまえば、次の負荷試験は医師である私も、患者さんの方もやりづらくなり、負荷試験から遠ざかってしまう可能性があります。できれば、失敗は許されないのです。

カニを少しずつ食べてもらいましたが、予定の量を意外にもあっさり食べることができました。私も肩の荷がちょっと下りた気がします(笑)。

カニの主要抗原は、トロポミオシンという筋肉のタンパク質です。エビにも含まれており、エビ側から見た場合、エビアレルギーがあると3分の2の確率でカニにもアレルギーがあると言われています。逆のデータは分かりませんが、似たようなものかと思っています。

アレルギー検査の値はエビの方が高いのですが、カニが食べられたので、あわよくば「エビも食べられるのでは?」という気持ちが出てきました。少し前にも触れましたが、エビはクラス4くらいでも負荷試験をして実際に症状が出るのは20%以下という報告もあります。

お母さんにその辺りのことを伝えると、エビと聞いて感慨深げでした。実は、保育園時代に誕生会があり、その時にご馳走としてエビフライが出たそうですが、本人は食べたかったのに、除去していたため、食べられなかったのです。

本人がどれくらいエビフライに憧れていたのか確認はしていませんが、お母さんはその印象が強いようで、近々エビにも挑戦しようということになりました。

もし叶えば、約10年来の願いが達成されることになります。やってみなければ分からないとしか今は言えませんが、是非ともリベンジというか、願いを叶えさせてあげたいと思っています。