先日、食物アレルギーでアナフィラキシーを起こした患者さんが受診されました。
入院した病院から情報提供書を持参されたのですが、読んでみて驚きました。立て続けに2回入院していたからです。日付けをみると1回目の入院が8月2日、2回目が8月5日となっていました。そう4日間に2回もアナフィラキシーを起こしてしまったのです。
真っ先に、母親は何をしていたんだと思う方もいらっしゃるでしょう。1回目は祖母にお子さんを見てもらっている時に起こりました。そして2回目はこの子の通う園で起こりました。
1回目はテーブルの上に上げておいた姉が食べたアイスクリームの皿を触って舐めてしまったようです。そう、このお子さんは重症な牛乳アレルギーがありました。
そして2回目は園のケアレスミスで麩を与えられました。重症な小麦アレルギーも持っているのです。
2回とも母は現場には不在でした。母を責めてはかわいそうですが、祖母への指導が不十分であったということになるのでしょうか。
あと、「主治医はどうした」というご意見もあるでしょう。主治医は私です(汗)。
私にも周囲へ説明が足りなかったという責任もあるかと思います。この患者さんには、負荷試験は実施しています。実は卵アレルギーもあって、加工品を用いた負荷試験を卵、乳、小麦のいずれでもやっており、どれも微量で症状が誘発されるため、完全除去を指示していました。
負荷試験は卵は卵焼き、乳は牛乳、小麦はうどんを使い実施することになっていますが、過去の症状から重症であることは分かっていたため、微量に含む加工品で負荷試験をやっていました。そうやることで、多くの患者さんに「完全除去」と指示しないようにしてきたつもりです。
その方法が通用しなかったので、完全除去とせざるを得なかったのです。おばあちゃんにしてみれば、気をつけていたの、姉に与えたアイスの皿を舐めるなんて“想定外”であり、こういう「ヒヤリハット」を経験して対処法を学んで行く部分もあるのだろうと思っています。
園の方は、多分ここまで重症であれもこれもアレルゲンであるお子さんは預かったことがないのでしょう。
なお、「エピペンは処方しないの?」とお思いの方もいると思います。当然そういう考えが頭に浮かびますが、体重が足りず処方できません。
当院では、エピペンを持たせたいけれどできないお子さんの場合も、園に出向いて誤食時の対応を説明することもやってきましたので、このお子さんもそうしなければならないと思っています。
重症であればある程、こんな感じでアナフィラキシーを繰り返す場合があります。”想定外“なことは往々にして起こりますので、周囲の大人が重症な食物アレルギーのお子さんを守らなければなりません。
エピペンを持ちたくとも持てない患者さんにも、周囲の大人が食物アレルギーを学ぶ機会を作っていかなければいけないのだろうと思っています。


