当院は、午前中の診療が終わる頃に負荷試験が終わることが多く、負荷試験の結果を踏まえて、今後の食生活について説明しています。
負荷試験が陰性(症状が出ない)なら、解除していきますし、陽性(アレルギー症状が見られる)なら除去を継続することになります。
本来なら食物アレルギーに詳しい栄養士が指導をすべきでしょうが、そういう環境に恵まれた医療機関はあまりないでしょう。私なりの知識で説明しています。何人かに説明していると、昼休みが取れないこともあります。
午前中がさほど混雑しないと、昼休みが取れることがあり、ラッキーという感じます。先日、昼休みが取れ、部屋で休んでいたら電話が鳴りました。
まず受付が電話を取り、私に電話を回してくれたのですが、なんとみんなが知っている全国紙の記者さんからでした。
最近話題になっているエピペンに関する電話取材でした。エピペンを預かるよう国が方向性を示していますが、実際に預かるかどうかの決定は地方自治体に委ねられているようです。今度触れようと思っていましたが、先月NHKの夜のニュースで、船橋市がエピペンを預かるのを躊躇しているというような報道がなされていました。
報道を契機に預かるという方針を決定したようですが、「状況が整えば」という条件がついているようです。つまり、まだいつ預かるか決まっていないということでしょう。
一躍有名になってしまったようで、同様なケースがないかなど、地方の現状を取材されているようでした。
それにしても、全国紙の記者さんが当院のような田舎のクリニックをどうやって知ったのでしょうか?。この点に関しては、新潟県の全ての地域でエピペンを一律で預かり、園や学校でいつでも職員が使用できるようにするのが私の「夢」です。微力ながら、少しずつ前に進めるよう努力しているつもりです。
学会にも積極的に参加しており、私の活動を知っているどなたかが知らせて下さったのでしょう。少しは周囲から認められているのかなと思ったりします(笑)。
新潟県に関しては、ある程度のことは知っているつもりです。比較的進んでいるところもあれば、とても遅れているところもあります。
行政からすれば、最初の頃はエピペンと言われてもチンプンカンプンだったと思います。市役所職員にエピペンに詳しい人はおらず、しかも地元の医師会にも普通は食物アレルギーの専門医がいないことが多いと思います。
最初は、取っ付きづらく、どうしていいか分からないと言うのが正直なところだと思います。ただ、徐々にエピペンが認知されてきて、どうすべきかと言うことが分かってきたのだと思います。
今は、調布市の死亡事故もあり、多くの行政が関心を寄せていますが、まだまだと思います。ただ、この件がきっかけとなり、確実に前進していると思っています。
しかし、行政のすべてが前向きかと言えばそうでもないと思います。いや、無理解な行政もありました。私が協力すると言っても、無視し続けられ、本当に嫌な思いをしました。
その市の園や学校の職員が食物アレルギーに関する情報不足に困っていることは知っていましたので、市を挙げて研修会を提案しましたが、「する必要がない」とすら言われ、愕然としました。担当者がこんなに無理解なため、市長にこの事実を伝えようと市長にメールをしましたが、担当課が事前にブロックし、市長に市民の声が伝わらないのはとても残念でした。隠蔽工作以外の何者でもないと捉えています。
新潟県の悪しき例として、このことを記者さんに伝えました。
他にもこんなことがありました。ある市の教育委員会が患者さんの保護者を呼び出し、「給食で何があっても学校側に責任を問わない」とする書類にサインを迫ったという耳を疑うような事例がありました。ただ、この件は5年程前のことで、今はこんな馬鹿なことはされていないようです。
ひどい仕打ちとも言えるような事例は、実は全国で散見されています。今回一例として挙げた船橋市も報道により態度に変化が起きたようです。メディアが取り上げることで、行政の対応が変わるのなら、どんどん取り上げて頂きたいと思っています。
エピペンを預かってもらえないようなケースがあり、困っている方がいらっしゃいましたら私にご連絡ください。何とか力になれるよう、行動したいと思っています。


