16日朝4時の時点で、台風18号が日本に接近しています。
紀伊半島南方の海上にあり、関西や中部地方が大雨になっているようです。新潟の方は、まだほとんど雨が降っていませんが、さすがに16日は雨脚が強まりそうです。
新潟では、その前がちょっと気候が良かっただけに、台風の接近に伴い、当院で診ているぜんそくの患者さんが発作を起こさないか、心配しています。
患者さんには申し訳ないと思いつつ、連休にホッとしています。ここ最近は、日頃の講演活動に加えて、「すこやか健康フェア」の準備も重なり、ちょっと疲れを感じていました(汗)。
ちょうど1か月前は、イギリスに旅行に行っていました。「休んでばかりじゃないか」と言われそうですが、自分なりに特に食物アレルギーの啓発を頑張っているつもりなため、久し振りにゆっくりできる連休となっています。
でも、頭の中は、重めのぜんそくのお子さんが発作を起こして病院の救急外来を受診していないだろうか?、入院していないだろうかと不安に思っています。
ぜんそくなどの慢性の病気は、患者さんとの付き合いも長くなります。しょっちゅう顔を合わせているので、お母さんのほか、お父さん、場合によってはおじいちゃん、おばあちゃんの顔もよく見えます。
よく医療系のドラマなどで、上司が部下の若い医者に「患者さんに感情移入してはいけない」と注意するシーンがあったりします。いざという時に、医師として冷静に判断できなくなるからなのでしょうか?。他にも理由があるのかもしれません。
そうは言いつつも、日頃診ているぜんそく患者さんが、「入院してしまいました」と言われると、悲しくなるし、申し訳ない気持ちになります。人間として感情移入しないことは難しいと思っています。
開業医の役目は、地域の健康を守るということでしょうが、特に子どもはそれでも病気にかかってしまいます。麻疹や水ぼうそうなど有名な感染症は予防接種で予防しますが、この夏、結構流行った手足口病やヘルパンギーナは予防できません。
そもそも、アレルギーも親の影響を受ける可能性も高く、なりたくないと思っても発症してしまうこともあります。症状を悪化させない、という気持ちが重要でしょう。
親御さんが一番嫌うことは、入院してしまうことなのかなと思っています。親御さんも病気にかかってしまうことは仕方ないが、入院すると、家庭に大きな影響が出てしまいます。多くの親御さんが「入院だけは避けたい」ということをおっしゃいます。
ぜんそくの場合、冒頭に言ったような台風の接近や寒暖の差が発作を誘発することがあります。また、感染を契機に呼吸困難、睡眠障害を起こすことがあります。自然の前には人間は無力なので、台風や寒暖の差はいかんともし難いのです。
日頃から予防的治療をしっかりやっていると、ほとんど発作を起こさなくなります。他院から移ってこられて、適切な治療が行なわれていなかった患者さんが、定期的に治療を続けることを提案され、発作を起こさなくなり喜んで頂けることもよく経験します。
そうしていても、冬でもないのに、いま全国的に流行しているRSウィルスやマイコプラズマなどの感染症にかかると、ぜんそく発作を起こしやすくなります。熱が続き、ゼーゼー言ってくれば、感染症が足を引っ張りぜんそく発作を誘発させたのだろうと考えます。熱があれば、分かりやすいのですが、いつも発熱するとは限りません。
急にぜんそくの状態が悪くなれば、何らかのきっかけがあって悪くなったのであろうと考えます。痰が汚くないか、鼻がのどの奥に落ちてはいないかなども考えないといけません。
ある程度、感染症が引き金になっていると考えた時に、抗生剤を使うことがあります。むやみやたらと使うべきでないと思いますが、感染がきっかけになっていると判断し、抗生剤を使い、まもなく発作が軽減したこともよく経験します。入院を避けるためには、いろいろ考えて、回避する努力は必要だと考えています。
RSウィルスは診断できても特効薬はないため、手の打ちようがないのですが、マイコプラズマやそれに類する病気に悪化要因だと考えれば、それ用の抗生剤はあるため、使うことになります。そう、ぜんそく発作を引き起こしている「悪化要因」をみつけ、それを治療すると発作が静まっていくこともあります。
いずれにしても、慢性の病気があり、急に悪化した場合はその「悪化要因」を見つけ出すことがポイントになることを覚えていて損はないと思っています。


