水曜の午後は、「院外活動」となっています。
先週末に横浜で学会があり、私も発表してきました。発表は10年以上続けているのですが、やはり気疲れしないはずはありません。しかし、それでも水曜の午後はニーズがある訳ですから「院外活動」をやらない訳にはいきません。
今日は、N市に行きますが、7月ぶりの1日に2件のハシゴの予定です。
一人は、以前も触れたので覚えている方もいらっしゃると思います。
1年前に学校でアナフィラキシーショックを起こしたのですが、地元の小児科で「カシューナッツが原因である」と診断されていました。ところがアレルギー検査でカシューナッツは陰性でした。それでも「カシューナッツが原因である、ナッツ類はすべて除去するように」と指導されていました。
親御さんがその指導に疑問を持ち、当院に相談に来られました。カシューナッツを使った皮膚テストも陰性で、カシューナッツを医院で食べさせることにしました。「食物負荷試験」を行なったのです。
結果は、何も起きませんでした。カシューナッツ以外のものがアナフィラキシーショックの原因だろうと考えていますが、正直原因が特定できていません。カシューナッツが“濡れ衣”になっている訳ですから、それは晴らさなければならないと思っています。
これも以前触れましたが、アナフィラキシーショックを起こした場合は、原因食品の検索と、ショック時の対応が問題となります。いま述べたように、原因食品が一方的に決めつけられ、しかも食べていたピーナッツ等まで食べてはいけないと指導されていたことがまずおかしいと言えます。
もう一つ、これはもっと問題なのですが、エピペンを処方すべきなのに処方されていないことです。要は、原因でないものが原因として祭り上げられていて、アナフィラキシーショック時の指導がまったくなされていなかったのです。
これも敢えて言いますが、小児科医の感覚がおかしいと感じます。自分が分からなければ専門家に相談する、これが命の関わる医療ではとても大切なことです。これでは命がいくつあっても足りないなんてことになりかねないと思います。
とは言え、これも今度触れようと思っていましたが、別のN市でもアナフィラキシーを繰り返すお子さんにエピペンが出されておらず、食物アレルギーに関心がない、理解不足の小児科医は決して少なくないことを表しているようです。
今回のケースは、申し訳ないことに原因が特定できていませんが、いつまたアナフィラキシーショックを起こすかもしれません。となると、エピペンをいつでも使えるようにしておく必要があります。それで学校側に働きかけ、本日の研修会となりました。
もう1件は、食物アレルギーも持っているのですが、卵はある程度食べられるようになっています。以前ハチに刺されたことがあり、抗体を調べてみたらスズメバチがクラス3だったそうです。
こういうケースでは、また新たにハチに刺されるとアナフィラキシーを起こす可能性も否定できず、エピペンを処方する理由にもなり得ると思っています。
正直、これまで子どもでハチに刺されアナフィラキシーショックを起こしたお子さんは診たことがなかったのですが、先日経験してしまいました。小学生のお子さんがハチに刺され、ぐったりしてしまったのです。
当院にアナフィラキシーショックで運び込まれた訳ではないのですが、話を聞いてエピペンを出すべきだと思いました。この子もエピペンが処方されておらず、専門医に紹介すらない現状が新潟県内で繰り返されていることがお分かりかと思います。
ということで、いま今日お話しするスライドにハチ毒のアナフィラキシーショックに関するものを組み入れているところです。
ちなみに、食物アレルギーでアレルゲンを食べて心停止までに至る時間は30分とされていますが、ハチ毒の場合は15分です。林業に携わる方でエピペンを所持している場合、刺されたら打つという指導をするケースもあるそうです。
その辺のことも触れて、食物アレルギーもハチ毒アレルギーについても参加の方々に理解して頂けるよう2件ハシゴしてこようと思っています。


