小児科 すこやかアレルギークリニック

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よかったね~
2013年12月21日 更新

昨日は、ちょうど一年前に調布市で食物アレルギーによる死亡事故があった日でした。

この事故が起こる前から、エピペンを処方されているお子さんの通う園や学校に出向いて、食物アレルギーやエピペンに関する情報提供を行なってきました。

事故以来、私の講演の中で12月20日、調布市の小学校の給食の時間に何が起きたのかをお話ししています。確かに難しいケースですが、どうすれば命が救えたかもしれないか?ということを考察しています。

そういう話を繰り返していると、何時何分にどういうことがあったかを覚えてしまっています。昨日は診療中、時計を見るたびに1年前にどういうことがあったかを考えていました。

とにかく親御さんのおっしゃる「娘の死を無駄にしないで欲しい」という思いに応えなければならない、そう思っています。

そのためには、なるべく「正しい診断」が必要になります。

食物アレルギーは、食べなければ何も起きないため、「あれも食べてはいけない、これもダメ」という医師が多いのも事実であろうと思います。何も起きなければ医師も罪の意識はないのでしょうが、食べてもいいものを「食べるな」ということにより、患者さんは大きな被害を被っています。それに気付くべきでしょう。

昨日の続きになりますが、運動後にアナフィラキシー症状を繰り返しているのは、甲殻類が原因であることが判明した訳ですが、医師は「念のため、小麦も除去しなさい」と指導します。

甲殻類は因果関係が明らかになりましたが、小麦は因果関係が証明できないにもかかわらずです。「念のため」なんて親切のようで親切でない言葉が親御さんに重くのしかっていました。その結果が、小麦は除去しきれないので、弁当持参という対応でした。

学校側もやむを得ず、そういう対応を取ってもらっていました。お医者さんの言うことは“絶対”だからです。

結局、当院で運動負荷試験を行なうことになりました。小麦を摂って、結構激しい運動をさせてアレルギー症状が誘発されるかを確認する検査を実施しました。

この検査は、再現性がイマイチで、検査して症状が出ないからといって原因ではないとは言い切れません。ただ、ここで私が何もしなければ、この患者さんは一生小麦を摂って運動することを避けなければならないと思うと居ても立ってもいられなくなりました。

当院での検査は症状が出なかったため、学校でも小麦を少しずつ摂らせ、運動もしてもらうことにしました。そういう生活の中で症状が出なければ、除去する必要がないと証明できると考えました。というか、それしかないでしょう。何度小麦を摂って運動しても何も起こらない状況が続いています。

それで、先日当院を受診された時にアレルギー診断書の記入を求められました。私がそれに記載すれば、3学期からは他児を同じ給食を出してもらえるのだそうです。私もつい「よかったね~」と言いました。

中学校に上がって、母は毎日弁当を作り続けていました。私の推測では、そこまでする必要がなかったと思っており、親御さんはしなくてもいい努力をしていのだと考えています。

このような指導をした小児科医が専門医に早く紹介していれば、こうはならなかったのだと思っています。アレルギーはほぼ全ての小児科医が日常的にみる病気となっていますが、自分がどこまで診られて、どこから診られないかと分かっていなければ、患者さんに迷惑しか掛けないことに気付く必要があると思っています。