昨日は、2件ハシゴしました。
一人はある園に通うお子さんだったのですが、3大アレルゲンの対応に苦慮しています。子どもの3大アレルゲンと言えば卵、牛乳、小麦ですが、重症だとどれも除去が必要になります。
食物負荷試験は私の方から患者さんに「こういう検査がありますよ、やってみませんか?」と提案します。もちろん何かあれば、全て私の責任です。最近、医師はリスクを避けたがる傾向にありますが、それでも私が食物負荷試験にこだわっているのは、完全除去を避けるためです。
医師は、アレルギー検査の数値だけで完全除去を指示したりしますが、それがいかに大変なことかを理解しているのだろうかと思っています。医師はその一言で済むのでしょうが、親御さんにしてみれば、1日3回の食事やおやつなど全く気が抜けないことになります。幼児だとゴミ箱に手を突っ込んだりすることもあるでしょう。それこそ想定外のことが起きるかもしれず、親御さんは24時間、365日緊張感を強いられることになります。
卵1種類だけでも大変なのに、それが卵、牛乳、小麦ともなると想像を絶する大変さが待っていることになると思います。我々が普段口にしている食品には、これらが何かしら含まれているからです。
当院は「とにかく少しでも何か食べさせたい」と考えていますので、加工品を使った負荷試験を心掛けています。
一般的に負荷試験の食材は、卵は卵焼きやゆで卵、乳は牛乳、小麦はうどんと相場が決まっています。ただ、これは最終目標であって、重症なケースではかなり厳しいことになります。
そこで少量含まれる程度の加工品を使っているのです。卵アレルギーだけだと、卵入りのクッキーを使っているのですが、残念ながら小麦アレルギーがあると使えないことになります。乳も、ミルククッキーを使うことがあるのですが、小麦が含まれています。そういう意味でも、さまざまなアレルギーがあると、負荷試験ですら苦労します。
あくまで当院での例となりますが、重症で卵焼き、牛乳、うどんが難しそうな患者さんには、小麦だとリッツというお菓子を使っています。これは卵も乳も含まれていません。乳だとじゃがりこなんかが使えます。これも卵と小麦は含みません。ただ、卵の加工品で乳、小麦を含まないものはなかなか見当たりません。
お母さんと相談すると、卵の負荷試験にパンケーキを作って来てくださいました。通常なら小麦が含まれるはずですが、米粉を使い手作りのパンケーキでした。
卵の負荷試験として、このパンケーキで行ない、途中で蕁麻疹が出てきてしまいました。乳でのじゃがりこでは、1本食べ、2本目以降に嘔吐、蕁麻疹が出てきました。小麦でのリッツでは、1枚も食べないところで蕁麻疹が広がってきてしまいました。
いずれかが食べられれば、食べて頂くことになるのですが、卵、乳、小麦のいずれも厚い壁にはね返されてしまいました。どれも微量~少量含まれる程度の食材なので、これらが食べられなければ、園では完全除去をせざるを得ないと思います。
検査結果の数値だけで完全除去を指示している医師と結果的に同じ指示となってしまうのかもしれませんが、私としては、ここまでやってダメならば完全除去をせざるを得ないと諦めがつきます。というか、多くの医師が安易に完全除去という言葉を発しており、逆にここまでやって初めて完全除去という言葉を使って欲しいと思っています。
ただ、私の場合、諦め切っている訳ではなく、往生際が悪いため、数ヶ月経つとまた再挑戦したくなります。親御さんのことを思うと、何かしらを食べさせたく、1歩でも半歩でも前に進みたいのです。しかし、特に重症だと現実は厳しいことが多く、そうは問屋がおろさないということになってしまいます。
3回負荷試験をやって、いずれも症状が出てしまうと、正直私も凹みます。へこたれずに頑張らないといけないと思っています。


