小児科 すこやかアレルギークリニック

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偏り過ぎ
2014年01月28日 更新

残念ながらインフルエンザが流行してきました。

診療していても発熱のお子さんが多く、調べるとインフルエンザのA型やB型が陽性になるケースが増えています。昨日は、診療後に夜間休日診療の仕事があったので、家に帰ったのが22時過ぎでした。何気なく?ベットに横たわったら、朝の4時前でした(大汗)。

昨日も触れたように、食物アレルギーは対応がどんどん変わってきています。

専門医は、時代の流れについていこうと努力していますが、残念ながらその一方で無関心な医師もいます。その結果、これも先日の研究会で話題になりましたが、「医師によって言うことが違う」ということになります。

医師と言うと「信頼できる」というのが前提にあると思いますが、実際には「ヤブ医者」という言葉が存在するように、確実に“ヤブ”は存在します。食物アレルギーの分野では多いように思って感じており、当院の患者さんの方が、その辺の小児科医よりは知識があるくらいです。

「食物アレルギー」=「除去」という構図が出来上がっている医師もあり、食べさせる努力もしていないし、時代の変化に追いつこうとしているとは思えない医師が多いように感じています。

これが現実なので、医師を妄信することなく、本物とそうでない医師を見分ける努力が必要だと思っています。こういう「事実」というか「情報」も患者さんのためになると思い、情報発信しています。一般的にはタブーとされているようですが…。

話が逸れましたが、最近は除去ではなく、“食べられる範囲まで食べる”ということをしていると、治ってしまうのではないかということすら指摘されています。完全除去がかえって治りにくくしている可能性すらあります。

毎週のように食物アレルギーの講演活動をやっていますが、他にも研修会は行われているようです。エピペンの使い方に特化した研修会もあるようですが、私はそれだけするのは反対です。

確かに「子供の命を守る」という点では、エピペンの使い方を知っておく必要があります。食物アレルギーの症状は、ピンキリだと思います。軽い数個程度の蕁麻疹からショック症状を呈するものまであります。エピペンの使い方は知っているけれど、蕁麻疹はどうしたらいいか分からないでは、本末転倒だと思っています。

蕁麻疹の対処の延長線上に、重い呼吸器症状、強い消化器症状、全身症状があるので、エピペンの使い方だけを知っていても、本当の理解にはつながらないと考えています。食物アレルギーの研修を受けても、蕁麻疹の対処ができないなんてことになり兼ねません。

給食の現場で、誤食があっても皆がアナフィラキシーショックに至る訳ではないので、偏り過ぎのケースだけを学んでいて現実的な対処ができなくては、それもまた問題でしょう。

何でこういうことを言うかというと、実際にある養護教諭の先生からそういう話をお聞きしたからです。私の講演を聞いて、初めて蕁麻疹などさほど症状が重くない時の対処法を知ったのだそうです。

最近は養護の先生などは、こういう類いの研修会がやたらと多いのでしょうが、誰が講師を務めているのでしょうか?。私の知る範囲では消防隊員や薬剤師がやったという話を聞いたことがあります。もちろん、しっかり勉強している方がやってくだされば異論はないのですが、食物アレルギーに精通した医師がやるのがベストだと思っています。

言い方は悪いですが、エピペンの使い方だけを知るのであれば、DVDを見るだけで十分でしょう。実際、私が講演したあとに質問を受けますが、エピペンに関する質問だけでなく、食物アレルギー自体の質問もよく受けます。

今回の養護の先生の指摘を受けて、他の方の研修会の話を聞いてみたくなりました。新潟県内でも研修会は繰り返されているのでしょうが、食物アレルギーの専門医はほとんどいないので、講演内容が一定のレベルに達しているかを検証することも必要なのかもしれません。

そもそも食物アレルギーの診断が間違っていて、それで誤食時の対応を学んでも、どれだけ役に立つのかと思ってしまいます。食物負荷試験が大して普及していない県内で、診断が正しいことが前提で誤食時の対処を知る必要があると思っています。

ちなみに私であれば、食物アレルギーについてキチンと理解して欲しいという気持ちがあるので、アレルギー検査の数値だけでは必ずしも診断できないことを説明していますし、食べて慣れさせていくという当院の取り組みについてもデータを提示し、理解して頂けるようにしています。こういう話は専門的に取り組んでいる医師にしか話せないことでしょう。

難点は時間がかかることでしょうか。時間をいつも1時間半ほど頂いていますが、いろいろ話すのでそれくらいは必要です。せっかく研修を受けるなら、偏り過ぎることなく、食物アレルギーについて真の理解を得られるような研修会を行って欲しいものだと思っています。