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“断固阻止”
2014年01月29日 更新

先日、生後数ヶ月の赤ちゃんが湿疹で当院を受診されました。

最近は「経皮感作」が注目されていて、皮膚の傷んだところから食べ物が入り、それが食物アレルギーに発展するのでは?と考えられています。皮膚経由の食べ物はアレルギーの悪さをしてしまうのだそうです。例の茶のしずく石鹸の事件が、それを証明したと言われています。

当院は、食物アレルギーに力を入れていますが、重症なお子さんを多く診ていると、どうしたら発症を抑えられるか?、軽くできるか?ということを考えています。

そんな中、「経皮感作」の話が持ち上がってきたため、そういう対応を取るようにしています。つまり、湿疹を速やかに改善させるということです。

この場でよく言っているのですが、アトピー性皮膚炎と乳児湿疹の区別のできない小児科医、皮膚科医は結構います。診断を間違えば、治療も間違い、症状を改善させられないのは当たり前でしょう。

皮膚症状に改善がみられなければ、「経皮感作」が進み、食物アレルギーが悪化するかもしれません。当院を受診した患者さんには、食物アレルギーで苦労して欲しくないため、湿疹を改善させるだけでなく、そういう観点からも治療しています。

そのお母さんは、ご自分が皮膚科にこれから行く予定だそうで、“湿疹”の赤ちゃんも一緒に診てもらうつもりもあり、その前に当院を受診されたそうです。

近隣の皮膚科の先生は誰がどういう治療をしているかはだいたい分かっています。この赤ちゃんは皮膚科でなく、小児科、アレルギー科で診るべき患者さんであると判断されました。

この患者さんは、いずれアトピー性皮膚炎と診断され、「経皮感作」により食物アレルギーが悪化すると疑いのあるお子さんでした。親御さんは皮膚のトラブルなら皮膚科でとお思いだったようですが、そうではないケースもあります。申し訳ないですが、“断固阻止”しなければと考えました。

そのためにはキチンと説明することです。多くの小児科、皮膚科が大した説明もなく、あっという間に診察が終わってしまいます。そんなこともあり、アトピー性皮膚炎のような慢性の病気の場合は、思ったような改善も得られず、説明もほとんどないため、患者さんがいくつも病院を渡り歩くことにつながると思っています。

医師側からは「ドクターショッピング」と言うのですが、私はこの言い方が好きではありません。

最初の医師が患者さんに向き合い、良くならなければ、自分の診断が間違っているのでは?と一緒に悩み、それでもダメなら専門医に紹介するという当たり前のことをやっていれば、患者さんは“ドクターショッピング”をする必要がないからです。患者さんが悪いかのような言い方と思っており、医師の対応にも大きな問題があると思わざるを得ません。

私にとってはいつも通りのことなのですが、アトピー性皮膚炎の治療について一通り説明し、当院の治療例をiPadの画像で説明します。多くの患者さんに見せていますが、みな「えっ??」という反応を示します。「こんなに良くなるの???」という感じです。

「いえ、いえ、私は当たり前の治療をしているだけですよ」と言っています。逆に、ガイドラインに示されていることにもかかわらず、“これまでこういう治療を受けられなかったこと”に驚いて欲しいと思っています。

その患者さんにはそれなりに時間を掛けて、“断固阻止”すべく説明したつもりです。次の患者さんを呼ぶと、何と1週間前に当院をアトピー性皮膚炎で初めて受診された赤ちゃんでした。家の近くの病院を受診しても良くならず、当院に救いを求めて来られた患者さんだったのです。

ちょうど同じ月齢で、湿疹の程度も似ています。これまで良くならなかったという皮膚がかなり改善していました。お母さんもご家族もビックリだったようです。当院は“当たり前”のことをしているだけで、これは日常茶飯事です。

そもそも多くの患者さんが「どこの医者に行っても同じ」と思っているでしょうが、逆に同じはずはありません。これだけ医療が細分化されているからで、“当たり前”ができない医師がいて、それこそ当たり前だと思っています。

その赤ちゃんは、1週間前に皮膚のトラブルで当院を受診されたとは思えない状況だったので、お母さんに1週間前の顔の画像が残っていないか聞いてみました。スマホに撮ってあるということだったので、お母さんに協力を求めました。

すなわち、先程の患者さんに戻ってきてもらい、スマホの1週間前の画像と今日の顔を見比べてもらいました。いわゆる「劇的ビフォーアフター」という感じでしょう。

さすがにここまでやれば、当院で治療を受けて下さることでしょう。自分の得意分野を活かせる患者さんに関しては、これからも“断固阻止”をやっていかなければならないと思っています。