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2014年03月06日 更新

昨日も水曜日。市内の保育園に講演に行ってきました。

いつもプロジェクターとスクリーンをご用意頂き、私はパソコンとレーザーポインターを持参するという形を取っています。

レーザーポインターって、スクリーン上を指す赤い光線で、最近はボタン操作でパワーポイントのページを進めたり、戻したりできます。

今回はプロジェクターが用意できないということで、マイプロジェクター出動です。実は、最近買い替えました。これまでは1メートルも離せば、80インチくらいの大きな画面を投影できるという、短焦点型のものを使っていました。そんなに高いものではなかったので、投影される画面が台形だった場合、手動で形を補正していました。

これが結構面倒で、最近は自動修正してくれるものもあるようで、ヤフーオークションで中古のプロジェクターを購入したのです。前のタイプよりはスクリーンから離して設置する必要がありますが、どこでもピタッと画面のゆがみを補正してくれるので、とっても簡単です(笑)。

しかも、高さが4センチあまりととっても薄いため、持ち運びが便利です。いやー、技術の進歩を感じます!。

プロジェクターが良くても、肝腎の講演の内容がレベルが低ければ意味がありません。また、最近エピペンを処方し、現在園でも預かって頂いているため、園の職員が躊躇なく打てるように理解を深めて頂きたい、そういう想いをこめてお話しさせて頂きました。

この患者さんは、1歳頃に米粉パンを食べて、アナフィラキシーショックを起こしています。通常、米粉だけでは具合いは悪くなりませんが、パンらしい食感を出すためにグルテンという小麦成分が含まれており、それに反応してしまったようです。

現在も小麦は除去しているところです。小麦はいろんなものに含まれており、園でもいつ食べさせてしまうか分かりません。小麦の混入でまたアナフィラキシーショックを起こしてしまうかもしれず、いざという時に、園の先生方がエピペンを打てるようにしておかなければなりません。

いつもそのために園や学校を個別に訪れている訳ですが、いつものことながらというか、園長先生の責任感には頭が下がります。

ここ最近、急に食物アレルギーが注目されてきて、エピペンを打つという言わば医療行為までこなす必要があり、それを求められている訳ですが、園での風邪薬の投与を断る園があるにもかかわらず、はるかに高度な対応を求められていると言えると思います。

特に公立の園は、行政がエピペンの預かりを断ってはいけないと決定していれば、断る訳にはいきません。心情的には断りたくとも、断れないのですから、さぞかし覚悟のいることだろうと思っています。

私立の園も、私の知る限りほとんどの園が預かって下さっています。いま、ひとつの園が拒絶しており困っています。その患者さんはアレルゲン摂取で意識消失したことがあり、エピペンを処方しています。誤食に備え、親御さんを通してエピペンを預かってもらうよう話しても「うちでは預からないから」と言っています。

私が説明に行くからと言っても、聞く耳を持たないようです。公立では預かり、私立は拒否では良くないだろうと市側に相談したのですが、手のひらを返したように「断った事実はありません」なんて平気で言います。それではと親御さんに再打診しても音沙汰もありません。こんなように残念な園も上越市内に存在しています。

言い方は悪いですが、こんな風に逃げ回ることもできなくはないのに、エピペンを預かるという覚悟を決めることは大変な責任感だと思うのです。昨日は園長先生が「先生に来て頂き、感謝している」と何度も言われました。

いえいえ、こちらこそ感謝です。園長という立場だと、園の先生も守らなければならず、園の先生方から「そんなことやりたくない」という声が上がれば、そういう選択肢もあり得るのかなと思っています。

市側から言われているにしても、“エピペンを打つこと”を引き受けるということは、相当な責任を伴います。エピペンを打つのは、市役所職員ではなく、現場の園職員です。エピペンを使用しなければならないという緊張感、恐怖心を強いられてしまうのです。そのプレッシャーたるや、小さくないはずです。にもかかわらず、子どもの命や健康を優先する態度に頭が下がる思いですし、そこに「プロ意識」を見た気がしました。

その「プロ意識」を支えるため、今後も各園や学校を回る努力を継続していきたいと考えています。