新潟では、また冬に逆戻りのような気候になっています。医院の窓から雪が横殴りに降る様子が見てとれます。
今年の新潟は雪が少なく、過ごしやすかったのですが、例年のごとく春はすんなりとは来ないようです(涙)。
もしかしたら、間接的に喜んでいる方もいらっしゃるかもしれません。スキー場関係者もそうかもしれませんが、スギ花粉症の患者さんです。
単純にスギの枝に雪が降り積もれば、花粉も飛ばないだろうと考えられ、現に関東が大変な状況になっていても、こちらではそれ程でもないことはよくあります。実際、雪解けの進んだ3月の晴れた日に外出した際、目が痒くなったと慌てて花粉症の治療薬をもらいに来る患者さんも結構いたりします。
先々週、鳥居薬品の方が医院を訪れました。「シダトレン」という薬の紹介に来られたのです。
パンフレットには「スギ花粉舌下薬」と書かれています。そう、舌下免疫療法の治療薬がようやく発売になるのです。“ようやく”と書いたのは、私自身は以前からこの治療薬の話は聞いており、心待ちにしていました。何年か前から「今年発売になる」と聞いて、“今年”じゃなかったりして、待ちわびていました。
これまでもスギ花粉症に関しては、免疫療法は存在しました。注射という投与法だったので、医療機関に頻繁に通院し、しかも痛い注射という方法で体に入れていました。
それなりの効果は期待できたのですが、頻回の注射で、針を刺すので痛く、アナフィラキシーの可能性もあると言うことで、なかなか一般的な治療としてはやらなかったようです。私も興味はありましたが、実践はしておりませんでした。
私もこの「シダトレン」の詳細についてはこれから勉強しますが、自宅で治療可能、口に含むだけなので痛くない、注射による治療よりは安全性が高いなどのメリットがあるようです。
新しい治療って、まず大人から導入されることが多いのですが、これに関しては12歳以上となっています。中学生には使用できるので、私のような小児科医でも恩恵はありそうです。
日々、食物アレルギーのことを中心に書いています。エピペンは患者さんが欲しくても、かかりつけ医ですぐに処方してもらえるものではありません。エピペンに関する講習を受け、登録している医師でないと処方できないルールがあり、新潟では処方できない医師の方が多いくらいです。
この「シダトレン」に関しても講習を受ける必要があります。処方医として登録されることも求められています。既に講習会も行われていますが、私はまだです。
今日の話を聞いて、「今年からスギ花粉の症状から解放される!」と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、発売自体は6月過ぎのようです。つまり、今シーズンには間に合わないのです。タイミング的にも、来シーズンに向けて準備するものとお考え下さい。
私の予想ですが、小児科医の多くはこの治療に手を出さないと思います。煩雑だし、アナフィラキシーの可能性もなくはありません。「食物負荷試験」と似た感じですね。尚更、普及しなさそうです。
逆に、私がやらないとスギ花粉症の子ども達が路頭に迷うことになりやしないかと思ってしまいます。是非とも講習会を受けておきたいところです。
調べてみると、5月10日に京都で開催されるそうです。これなら受けられそう。京都に行っちゃうの?とお思いかもしれませんが、翌11日は日本アレルギー学会の発表が控えています。そう、この講習会は日本アレルギー学会に併せた企画なのです。
ということで、若干気が早いですが、来シーズンのスギ花粉対策に向け動き出すつもりです。


