小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

延期
2014年04月11日 更新

スギ花粉症の画期的治療薬である舌下免疫療法の治療薬「シダトレン」の発売が当初6月と言われていました。

今シーズンは間に合わないけれど、来シーズンに向け治療を開始できると思っていたら、半年ほど延期になるというニュースが流れてきました。

スギ花粉症に悩んでいる患者さんととても多いのですが、どの医師からもこの治療が受けられる訳ではありません。使い方を誤ればアナフィラキシーの可能性もなくはなく、免疫療法に理解のある医師だけをピックアップし、治療をさせたいとする意図の表れだと思っています。

少し前にも触れましたが、舌下免疫療法に関する講習会を2回受ける必要があります。いま注目の治療法となっており、受講はすごい競争率です。3月末の月曜日の朝10時からネット申し込み開始だったのですが、午前中の診療が終わった14時半に申し込もうと思っていたら、すでに“完売”だったことはお知らせしました。

その後、枠が増やされたようで、私も5月に京都に行った際、受講することを許されています。多分、新潟県で治療を開始しようと思っているのは、多くは耳鼻科医で、小児科医はごく一部だけだろうと思っています。

スギ花粉症というと、大人の病気という印象を持っている方も多いと思いますが、新潟では急に気候が安定し、一気にスギ花粉が飛び始めたようで、「最近になって、目が痒い」、「鼻症状が出始めた」という子ども達が受診されています。

食物アレルギー同様、アレルギー検査の数値が診断の一助となります。乳児で鼻水が出て、花粉症を心配されて受診される方もいますが、何度かスギ花粉の飛散を経験して、スギ花粉に弱い体質になっていくので、おそらく違うだろうと思います。

ただ、私の印象では2、3歳からハッキリと症状が出る子が出てきて、検査するとスギの値がこの年齢にしてクラス6なんてツワモノもいます。昨日ももっと大きい子でしたが、「スギ花粉症かな?」と思って検査したら、結果がクラス6で驚いたケースもありました。

こんな子どものうちから治りづらいとされるスギ花粉症と診断されてしまうと、親としては「お先真っ暗」と思ってしまうことでしょう。

そんな中、画期的な治療法である舌下免疫療法が使えることになり、注目度の高いのは当然と言えば当然でしょう。実際、テレビでも報道され、一気に知名度が上がりました。

ただし、私も来月の受講に向けて、予備知識を得ようと少し調べてみているのですが、テレビを観た人の印象と“現実”はちょっと異なるようです。

テレビをパッと観た程度だと、治療をすれば完治し、しかもすぐに治ってしまうかのように捉えている方も少なくないと思っています。

この治療法の結果を見ると、「7割は改善」などと書いてありますが、7割の患者さんが内服、点眼、点鼻などの治療が一切必要なくなるという意味ではありません。もちろん、そういう方もいるかもしれませんが、治療を続行しつつ例年よりも症状が軽くなったという患者さんも多いようです。

しかも、あっという間に改善する訳ではなく、治療が有効であった患者さんのデータには約1年半治療を受けている方という但し書きがついています。

メーカーとしても、メディアなどで注目されるのは有り難いけれど、表面上の理解で効果が誇張され、よくよく調べてみると、「こんなはずじゃ…」となるかもしれず、あまり注目されるのもとなってしまうかもしれません。

しかも、新規採用の薬はしばらくは2週間しか処方できないため、まめに薬を貰いに受診する必要があります。あまりの地道な作業に耐え切れずに「やってられない」なんて思ってしまう患者さんも出てこないとも限りません。

今日触れてきたように、スギ花粉症の患者さんにとっては、思ったより“美味しい話”ではないのかもしれません。それでもお先真っ暗と思っていた患者さんにとって画期的な治療法であることには変わりないため、私自身はとても興味を持っています。

誤解をしている患者さんには、こういった治療の現実を伝える必要があるし、その上で治療を受けるかどうかを選択して頂こうと思っています。